8強へ導いた杉山愛監督 笑顔で激励、大胆采配も―女子テニス国別対抗戦
【ロンドン時事】女子テニスの世界最前線で長年活躍した杉山愛さん(49)が、スペインのマラガで今月に行われた国別対抗戦ビリー・ジーン・キング杯ファイナルに日本代表監督として臨み、ファイナル初出場の日本を8強に導いた。 【写真】シングルスに出場した柴原瑛菜をハイタッチで迎える日本の杉山愛監督 ベンチで笑顔を絶やさず選手を励まし、豊富な経験に基づいて的確な助言を送った。 ルーマニアとの1回戦は、世界ランキング56位で日本勢最上位の内島萌夏(安藤証券)を起用しない大胆な采配を振った。シングルス第2試合で柴原瑛菜(橋本総業)が期待に応え、格上選手を撃破。通算2勝1敗で準々決勝に進んだ。状態を見極めた上でベストな選手を選んだと説明し、「難しい決断だったが、正しかったと思う」と語った。 現役時代、世界ランキングの最高位はシングルス8位、ダブルス1位。四大大会の女子ダブルスを3度制した。2009年に引退し、22年12月から代表監督として始動。各選手に連絡を取り、信頼関係を築くことから始めた。 日本勢の上位15人ほどの動向は常にチェック。時差があっても可能な限り試合映像を見ている。プロの主戦場はツアー大会であり、国別対抗戦の優先順位が高くない選手もいるが、メンバーに入ってプレーしたいと思える「魅力あるチームづくり」を掲げてきた。 今大会の日本チームは一体感があり、ダブルスの青山修子(近藤乳業)は「笑顔の愛さんが安心感を与えてくれて、同じ方向を向いて横で戦ってくださる」と感謝した。杉山監督は「みんなが選手として、より成長できる良いチームづくりをしていきたい」と決意を新たにした。