年金世帯への支援「年金生活者支援給付金」で10月分の年金から上乗せになるかも?シニア世代の年金事情と資産形成を考える
現代シニアは厚生年金・国民年金をいくら受給している?
厚生労働省が公表する令和4年度「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給額は月14万5000円ほどです。 ●厚生年金の平均月額 ●国民年金の平均月額 国民年金の平均受給額は次のとおりです。 ・注1.新法基礎年金について老齢基礎年金の受給資格期間を原則として 25 年以上有するものは「老齢年金・25 年以上」に、それ以外のものは「通算老齢年金・25 年未満」に計上している。 ・注2.( )内は、基礎のみ・旧国年の受給者について再掲したものである。ここで「基礎のみ」とは、同一の年金種別の厚生年金保険(第1号)(旧共済組合を除く)の受給権を有しない基礎年金受給者をいう。 ・注3.[ ]内は、基礎のみ共済なし・旧国年の受給者について再掲したものである。ここで「基礎のみ共済なし」とは「基礎のみ」の受給者のうち、共済組合等の組合員等たる厚生年金保険の被保険者期間(平成 27 年9月以前の共済組合等の組合員等の期間を含む)を有しない受給者をいう。 国民年金は5万6000円台で推移していますが、これだけで生活するのは難しいでしょう。 また、厚生年金を受給する人においても、加入期間や現役時代の働き方によって受給額に個人差が生まれます。平均額を想定して老後を迎えたときに「想定していたより少ない」ということも考えられますので、現役時代のうちにご自身の年金見込み額を確認するようにしておきましょう。 次章では年金世帯に向けた給付金制度「年金生活者支援給付金」について解説していきます。
対象者は10月分の年金から上乗せ!「年金生活者支援給付金」を解説
年金生活者支援給付金は、老齢年金、障害年金、遺族年金の受給者に対して支給される給付金です。 ●老齢年金生活者支援給付金の対象者と給付額 ・65歳以上の老齢基礎年金の受給者 ・同一世帯の全員が市町村民税非課税 ・前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が87万8900円以下(※2) ※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。 ※2 77万8900円を超え87万8900円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。 老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金は、保険料納付済期間と免除期間に基づいて支給額を算出します。 給付額 ・保険料納付済期間に基づく額(月額)= 5310円 × 保険料納付済期間/被保険者月数480月 ・保険料免除期間に基づく額(月額)= 1万1333円 × 保険料免除期間/被保険者月数480月 ●障害年金生活者支援給付金の対象者と給付額 ・障害基礎年金の受給者 ・前年の所得(※1)が「472万1000円+扶養親族の数×38万円(※2)」以下 ※1 障害年金等の非課税収入は、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれません。 ※2 同一生計配偶者のうち70歳以上の者または老人扶養親族の場合は48万円、特定扶養親族または16歳以上19歳未満の扶養親族の場合は63万円となります。 給付額 ・障害等級2級:月額5310円 ・障害等級1級:月額6638円 ●遺族年金生活者支援給付金の対象者と給付額 ・遺族基礎年金の受給者 ・前年の所得(※1)が「472万1000円+扶養親族の数×38万円(※2)」以下 ※1 遺族年金等の非課税収入は、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれません。 ※2 同一生計配偶者のうち70歳以上の者または老人扶養親族の場合は48万円、特定扶養親族または16歳以上19歳未満の扶養親族の場合は63万円となります。 給付額 ・月額5310円 ※2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5310円を子の数で割った金額をそれぞれに支給する 年金生活者支援給付金は、原則、偶数月の中旬に2カ月分(前月および前々月)を年金と同じ受取口座に支給されます。例えば、9月に請求手続きをした場合、10月分からの支払いとなるため、12月中旬に振り込まれることになります。 なお、基準額はあるものの、個人差が大きい点に留意してください。