専用グラウンド無しなのに全国ベスト4入り!小さな主将とエースがまとめた62人の大所帯・関東学院大、全国制覇にあと一歩届かず...<準硬式・全国大会(清瀬杯)>
神奈川リーグを代表する強豪でありながら、練習グラウンドを持っていないなど、決して恵まれていない。その分、チームとしての団結は必要不可欠だが、4学年で62人とまとめるのは容易ではない。だからこそのコミュニケーションだが、「注意事項は主将ではなく、僕の方から話した」と担当はエース・和田。もちろん印部も選手個々との対話をするが、大事にしたことは行動で示すことだ。 帝京大との試合も、2点を追いかける4回、打球はショートへ転がったが、印部は懸命に走り、最後はヘッドスライディング。アウトだったものの、気迫を見せるプレーで、チームを鼓舞した。 ベンチにいても、最前列に並んで打席に立つ仲間へ声援を送る姿が見られた印部。プレーで、そして行動で牽引する姿は、まさに主将の鑑だった。 こうした姿には和田も、「印部は気持ちが強くて、先頭に立って行動で引っ張る。主将らしいと思います」と改めて印部の主将としての立ち振る舞いに称賛の声を送った。 だからこそ、「もっと頑張らないといけない」と和田は自身を奮い立たせたが、この試合はコンディションが上がらず、「テンポが悪くなってしまって、相手にずっと流れを渡してしまった」と反省。ただ、「トーナメントは勝てばいいので、とにかく0を並べながら修正できた」と、これまでの経験を生かして右腕を振り抜いたが、同点、逆転には至らなかった。
これで引退となる印部と和田。あと一歩で全国制覇には届かなかったが、「この4年間は楽しかった」と胸を張って言い切る。それほど充実した日々だったのだろう。 そんな印部たちのプレーに、「印部たちらしい雰囲気でした」と応援に駆け付けていた関東学院大のOB・大杉怜央さんは語った。 2022年までプレーしており、印部、和田たちとは一緒にプレーした経験がある。いまも相談を受けたり、食事に行ったりする間柄とのことで、良き先輩になるわけだが、当時から「楽しそうに野球をやる世代だった」とのこと。ときにはトラブルになったこともあったそうだが、「逞しくなりました」と印部たちの姿に目を細めていた。 実は大杉さん以外にも、多くの指導者も「成長しました」と印部たちの4年間を振り返る。この経験を糧に、4年生は社会人へ、そして後輩たちは先輩たちを超えるチームを作り、関東学院大の良き伝統を築いてもらいたい。