LUNA SEA結成35周年ツアーでの挑戦、東京ガーデンシアターで見せたバンドの未来
会場はライブハウス状態へ
後半は真矢のドラムソロからスタート。武士が戦に向かうかのような空気感でドラムソロが始まる。真矢のドラムはその一打一打が重く、さらにその一打一打に想いを感じる。それにこたえるように会場から真矢コールが起きる。ステージに一人いる真矢と会場全員が同じ幸福な笑顔。LUNA SEAのライブで欠かせない多幸溢れる瞬間だ。ドラムソロのあとは「MECHANICAL DANCE」。そしてRYUICHIのMCを挟み「STAY」が演奏される。ここでまたオーディエンスがわく。この曲は『EDEN』収録の名曲にしてレア演奏曲のひとつで、この曲も2018年以来の演奏だったはずだ。しかしノスタルジーはそこにない。タイトで深みのある演奏は、バンドの進化を示すだけではなく、バンドの未来さえ見せてくれる感じがした。 ここから本編ラストの「BELIVE」では会場はライブハウス状態。 アンコール一発目はアルバム『EDEN』の収録曲「IN MY DREAM」で<SEARCH FOR MY EDEN>という物語はまだ続く。「IN MY DREAM」のあとメンバー紹介での各自のMCがまた素敵だった。 真矢は「LUNA SEAのライブを育ててくれたのはファンのみんなだぜ!」と感謝を口にした。Jは「35年経っても変わらないもの……俺たちの情熱とファンの情熱!」と熱いメッセージを放った。INORANは「2月の東京ドーム、俺たちだけじゃく、必ずみんなで辿り着こうぜ!」と約束をした。SUGIZOは「いつでもここに帰っておいで」と優しい言葉を放った。最後にRYUICHIはノーマイクで「愛してるよ、TOKYO!」と叫んだ。 そして、「WISH」が演奏される。曲が始まった瞬間に会場に飛び出す祝福の銀テープ。それを観て、<SEARCH FOR MY EDEN>という物語は完結=わたしたちは<EDEN>に辿りつけたと感じたはずだ。そして、この日、アニバーサリー、挑戦、SEARCH FOR MY EDEN…といくつもの物語が駆動していたことにはたと気が付かされた。ちなみに、この「WISH」の演奏は#LUNAPICと称され、携帯での静止画撮影OKかつSNSへの投稿もOK。この日の物語が会場の外へ外へと動きだす。 そして、最後は「PRECIOUS...」で公演は終了。この日紡ぎ出されたいくつかの物語たちは、9月14日から始まる「-EPISODE 3-」での物語をくわえ、来年2月23日東京ドームでの『35th ANNIVERSARY TOUR ERA TO ERA -THE FINAL EPISODE- LUNATIC TOKYO 2025 -黒服限定GIG-』でエピローグを迎える。 常に異端であり続けてきたLUNA SEAというバンドは、わたしたちの想像を遥かに超えた、そしてロックバンドがまだ紡いだことがない壮大な物語を2月23日の東京ドームで紡ぎ出すはずだ。その瞬間を目撃しない手はない。 <ライブ情報> LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR ERA TO ERA -THE FINAL EPISODE- LUNATIC TOKYO 2025 -黒服限定GIG- 2025年2月23日(日祝)東京ドーム 現在各種チケット先行受付中 LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR 2024 ERA TO ERA EPISODE 1 / EPISODE 2 / EPISODE 3
Rolling Stone Japan 編集部