利下げ幅や利下げペースに影響する可能性大 「24年8月米雇用統計」の“3つのシナリオ”と予想される金融市場の反応【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
利下げペースは今後の指標次第、市場は米経済と利下げ見通しに左右されやすい流れが続こう
なお、各シナリオの非農業部門雇用者数と失業率の数字は、金融市場の反応を分かりやすくするための1つの目安です。実際は、事業所調査の非農業部門雇用者数と、家計調査の失業率で、改善・悪化の方向性が異なる場合もあり、また「サーム・ルール(直近3ヵ月間の平均失業率が過去1年の最低値を0.5ポイント上回れば、リセッションが始まった可能性が高いという経験則)」も意識されれば、反応がより複雑になることも想定されます。 弊社は8月の失業率について、7月の一時的な雇用削減などを踏まえると、4.2%以下に落ち着く可能性が高く、米経済の巡航速度に見合う基調的な雇用者数の前月比増加幅は150,000人もあれば足りると考えています。ただ、先行きの利下げペースは、今回の雇用統計だけでなく、今後の経済指標次第であり、米長期金利、ドル円、日米主要株価指数は、米国経済と利下げの見通しに左右されやすい流れが当面続くとみています。 (2024年9月3日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『利下げ幅や利下げペースに影響する可能性大 「24年8月米雇用統計」の“3つのシナリオ”と予想される金融市場の反応【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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