こんにゃく製造のオーカワなど2社(奈良)が破産開始 負債合計約68億円
こんにゃく販売業者として関西では有数の規模を誇っていた
(株)オーカワ(TDB企業コード:510411111、法人番号:5150001015985、資本金2500万円、奈良県吉野郡下市町栃本1-1、代表大川博史氏)と、関係会社の大川商店(株)(TDB企業コード:266007964、法人番号:6150001018054、資本金1000万円、登記面=奈良県吉野郡下市町伃邑2212、同代表)は、9月12日に奈良地裁へ自己破産を申請し、17日に破産手続き開始決定を受けた。 破産管財人は北條正崇弁護士(やすらぎ法律事務所、奈良県奈良市高天市町11高天飯田ビル6階、電話0742-24-2003)。 (株)オーカワは、1964年(昭和39年)創業の大川商店〈現・大川商店(株)〉の販売部門を分離する形で、85年(昭和60年)7月に設立。当初はこんにゃくを中心に、めん類や胡麻豆腐、ところてんなどの卸売を手がけていた。 流通大手や食品スーパー、地元食品小売店、食品商社など約800社に販路を構築。こんにゃく販売業者として関西ではトップクラスの規模を誇り、ラジオCMの効果などもあって当地では高い知名度を有していた。 2011年10月からは個人事業の大川商店の製造業務を引き継ぎ、卸売業から製造業へ業態転換。関西圏外の食品スーパーからの受注が増加した2016年4月期には年売上高約44億5000万円を計上し、2018年12月には経済産業省より「地域未来牽引企業」に認定されていた。 しかし、食の嗜好の変化により国内のこんにゃく製品市場が縮小していたうえ、同業他社との競合も厳しく、売り上げは減少傾向で推移。原材料価格やエネルギー価格の高騰に加え、人件費も上昇する一方で、特売品とされやすいこんにゃく製品の価格転嫁が難しく、収益性は低迷していた。 大川商店から引き継いだ借入金の返済負担が重荷となるなか、拠点の集約や社有不動産の売却などリストラを行っていた。また、取引先に対する支払い遅延が発生するほか、従業員の退職が相次ぎ信用不安が表面化。2024年4月期の年売上高は約30億円に落ち込み、営業損益段階から赤字となっていた。 さらに、当社が食品スーパー向けに卸した商品について、商品の一部に溶解が見受けられ腐敗臭が確認されたことで、2024年8月1日から自主回収を行っていたなか、事業継続は困難と判断し、8月8日付で事業を停止していた。 大川商店(株)は、1964年(昭和39年)に創業、2012年(平成24年)11月に法人改組。(株)オーカワの原料調達窓口としての役割を担っていたが、同社に連鎖した。 申請時の負債は、オーカワが債権者約375名に対し約44億900万円、大川商店が債権者約21名に対し約24億1300万円、2社合計で約68億2200万円。