テレワークが増えて部屋の広さに対する考え方に変化が!理想の部屋に近づくヒント
「くつろぐ空間」、「仕事をする空間」、「眠る空間」を分けるのが基本!
具体的にはどういうところに注意すれば、理想の部屋に近づけるのでしょうか? ひとり暮らしの人のほとんどは、ワンルームか1Kや1DKに住んでいるのだと思います。1LDK以上の部屋に住んでいる人は多数派ではないはずです。ワンルームか1Kであれば、居住空間や寝室などがすべてひと部屋に集約されますが、1DKであれば、居間(リビング)と寝室を分けられます。 1DKでは、DK(ダイニングキッチン)部分をリビングにあてて、もうひと部屋を寝室にあてる人が多いのだと思います。リモートワークがある人は、リビングの一画にワークスペースを設けるか、寝室の一画にワークスペースを設けるかを選択することになります。いずれにしても、1つの部屋か2つの部屋の中で「くつろぐ空間」、「仕事をする空間」、「眠る空間」の分け方を考えるわけです。 一般的に生活の中心になるのがリビングです。リビングは、テレビを見るなどして普段の時間を過ごす部屋のことです。本来なら食事をする場所や眠る場所とは分けて考えますが、都心のひとり暮らしであればなかなかそうはいきません。 ワンルームや1Kであれば、リビングを完全に独立させるのは難しいので、ダイニングを兼ねた空間とみなす場合が多くなります。そのうえで「仕事をする空間」、「眠る空間」を考えていくことになるわけです。ある程度の広さがなければ空間分けは難しくなるものの、そういうなかで部屋の選択や部屋づくりの工夫をしていくことになります。
「プライベート空間」がもつ意味
理想の部屋をつくることができていた場合、もっとも大きいのは心理的安らぎを得られることです。ストレスから解放されてリラックスできる避難所のような空間にできるので、通勤している人であれば「早く帰りたい!」と思うようになります。それだけ仕事がはかどります。リモートワークがあるならなおさらです。気分よく仕事ができているかどうかは大きな違いになってきます。 最近は〝プライベート空間が心理的にどのような意味をもつか〟という研究も進められています。たとえば、筑波大学に在籍していた泊真児先生と吉田富二雄先生による『プライベート空間の心理的意味とその機能』という論文によれば、プライベート空間には「情緒的解放」、「保全性」、「知的活動」という要素があり、それぞれについて次のような機能を有しているといいます。 情緒的解放としては、「緊張の解消」、「気分転換」、「日常的役割からの解放と自己開発」。保全性としては、「自己保全(個人的な情報を漏らさないこと)」、「自己概念の安定(家族や友人、同僚などとの親密かつ率直なコミュニケーション)」。知的活動としては、「課題への集中(仕事、読書、勉強などの課題志向的な活動)」、「自己注目(自己分析を行ったり、自分の内面の不均衡を調整するような活動など)」です。 このなかでもやはり注目したいのは「課題への集中」と「緊張の解消」、「気分転換」という部分になるのではないでしょうか。リモートワークが行われるようになったことで、知的活動を行う空間としての機能が強く求められるようになりました。だからこそ、知的活動(仕事)に集中できる環境と、仕事を離れたときにリラックスできる環境の両面が求められるわけです。 ワンルームなどでも「衝立(ついたて)」を置いて、空間を物理的に分割する人も増えています。衝立を置くかどうかはともかく、気持ちを切り替えられる空間づくりができているかが問われてくるのは間違いありません。
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