万博グルメで世界の食文化を満喫…ドイツは豊富な郷土料理、ポルトガルは海鮮に合うワイン
2025年大阪・関西万博で、参加国がパビリオンのレストランやカフェで提供する料理やこだわりのメニューの開発に力を入れている。食を通じて相互理解や誘客につなげる狙いがある。(石見江莉加) 【図表】グルメに関する計画を発表している主な国
「郷土色の豊かな料理をそろえた。ドイツ各地を旅している気分になってもらえたら」
ドイツパビリオンのレストラン「Oishii! Germany」の責任者・トーマス・ゴットシュリヒさん(47)は、自信を見せた。
提供するのは「ベルリン風のカレーソーセージ」や、ドイツ西部に伝わる牛肉の煮込み料理「ペッファーポットハスト」、デザートなど約20種類だ。
ゴットシュリヒさんはケータリング会社を営むキャリア30年の料理人。他の万博での出店経験も豊富だといい、自ら厨房(ちゅうぼう)に立ってフライパンをふってきた。
大阪市北区の飲食店「世界のビール博物館グランフロント大阪店」では、ドイツパビリオンで提供する料理を味わうことができる。
ペッファーポットハストをつまみにビールを飲んでいた神戸市北区の会社員(55)は「あっさりしていておいしい。万博は世界の料理を食べるチャンスですね」と笑顔だった。
万博では、自前でパビリオンを建設する「タイプA」の47か国の多くがレストランやカフェを併設するとみられる。各国は、来場者に自国の食文化になじんでもらい、海外旅行先に選んでほしいと期待している。
ポルトガルのレストランでは、地産地消にこだわり、関西の魚介類や野菜を使った料理を提供する予定だ。日本ではなじみの薄い自国産のワインを広める商機とも捉えている。
ベルナルド・アマラル館長は「一口ごとにポルトガルを感じられるような料理にしたい」と話す。
和食と組み合わせた料理も考案されている。
オランダは、ニンジンが入ったマッシュポテト「ヒュッツポット」と、コロッケに似た「ビターバレン」を具にしたおにぎりをパビリオンのカフェで販売しようと準備している。