三菱重工に東芝、古河電工…実は核融合サプライチェーン大国の日本。数十兆円超の市場狙うプレイヤーは?
業界注目の京大ベンチャーに老舗メーカーがずらり
核融合炉を実現するには、さまざまな装置、設備が必要となる。世界的に見て、日本には核融合産業のサプライヤーとなる企業は多い。 J-Fusionの発起人の中では、日本初の核融合スタートアップとして世界的に注目される京都フュージョニアリングを筆頭に、国際プロジェクトのITER計画にも長らく参画してきた三菱重工業(以下、三菱重工)、東芝エネルギーシステムズ(以下、東芝)、古河電気工業(以下、古河電工)など老舗メーカーが並ぶ。 フランスで建設中のITERや、茨城県那珂市の量子科学技術研究開発機構(QST)にある核融合の実験装置「JT-60SA」のようなタイプの核融合炉で発電を目指す場合、必要な装置や設備は大きく3種類に分けられる。 一つ目が核融合炉のメインとなる、プラズマの生成や制御に関わる真空容器や超電導コイルなどの「核融合機器」だ。次に、核融合反応によって炉内に生じたトリチウムを回収し、燃料として再利用するための「燃料サイクルシステム」。加えて、発電に必要な蒸気タービンや発電機などの「炉周辺装置」も重要な要素となる。
成田和弥