レアルのスタジアムに響き渡った「ナバス!ナバス!」…号泣で現役最後の試合を終えたヘスス・ナバス「あんな光景は一度も見たことがなかった」
セビージャの世代交代を円滑に進めるため、キャプテンとしてその生き様を若手たちに見せるために半シーズンだけセビージャにとどまることを決意したヘスス・ナバス。しかし、その体はもうボロボロで、腰には爆弾を抱えていた。一度プレーすれば、2日は動くことができなくなった。 それでも彼は、セビージャのトップチームでデビューを果たした2003年と変わらぬ情熱、同クラブに対する変わらぬ愛情でもって、現役最後の試合までプレーしている。 「本当に多くの出来事、喜びがあった。僕が心に残すのは皆から言われてきたこと……つまりは、いつだって僕は僕のままだったということだ。だからこそ、ここまでたどり着くことができた。僕は僕のセビージャの移行期に付き添いたかったんだ。自分が守ってきた価値観を伝えられたと思っているよ」 ヘスス・ナバスのあの縦に抜ける鋭いドリブル、そしてセビージャへの愛は、フットボール史に深く刻まれている。同時代を生きる人々の網膜に焼きついている。 取材・文=江間慎一郎