就活の服装「自由化」進むけど「何を着たらいいか分からない」 そんな悩みにサービス展開
企業説明会やインターンシップ(就業体験)などの就職活動中に就活生が着る服の「自由化」が進んでいる。かつてはリクルートスーツ以外に選択肢はなかったが、学生優位の「売り手市場」が続く中、企業側の姿勢が柔軟になったためだ。ただ、就活生からは「何を着たらいいか分からない」との声も。スーツ販売店はそうした悩みに対応したサービスを展開している。 洋服の青山長野南高田店の売り場。ビジネスウエアのフォーマル度を示すパネルを置いて提案している
フォーマル度を5段階で示すパネル 店内に設置
「『ビジネスカジュアルとは、具体的にどんな服を着たらいいか』と聞かれることが増えた」。紺色や黒色のリクルートスーツがずらりと並ぶ洋服の青山長野南高田店(長野市)。宇野小次郎副店長は、就活生からの問い合わせの傾向について説明した。 4月下旬は、2025年春の就職を目指す学生の面接試験が本格化し、26年春採用に向けたインターンシップの準備も始まる時期。就活用の服装の主流は依然としてリクルートスーツだが、ジャケットとパンツを組み合わせたカジュアルな装いのニーズも出ているという。 洋服の青山を展開する青山商事(広島県福山市)が2022年にまとめたアンケートで、88・8%の就活生が「服装自由」「軽装」などとされて服選びに困ったと回答。求人情報サイトを運営するマイナビ(東京)の同年のアンケートでも、インターンシップなどで「スーツ参加・私服参加など、企業から指定してほしい」と答えた学生が90・6%に上った。 長野南高田店は、ビジネスウエアのフォーマル度を5段階で示すパネルを設置。「スーツ」「ジャケパン(ジャケットとパンツ)」「ノンジャケット」といったスタイル別に着こなしを例示している。一方、既製品が体格に合わないと悩む就活生には、手軽に作れるオーダースーツを案内。就職を希望する企業に対し、身なりをきちんと見せたいという思いは不変という。
希望する業界や業種 就活生から丹念に聞き取り
長野市発祥の紳士服大手AOKI(横浜市)も「就活生からクールビズやオフィスカジュアルについて相談を受けることが増えた」(広報室)とする。 売り場では担当者が、希望する業界や業種を就活生から丹念に聞き取る。その上で、男性にはカジュアルなスーツ、女性には襟のないジャケットなどを具体的に提案しているという。