4万ドルを初めて超えたNYダウ!アメリカの株価上昇は続くのか? 現地アナリストが注目点を解説
▽この先のリスクは? 一方で警戒する声もある。米金融サービス、オアンダのシニアマーケットアナリスト、ケルビン・ウォン氏は「アメリカが景気停滞と物価高が同時に起こるスタグフレーションに陥るシナリオは、まだ生きている」と警戒する。 4月の米CPIは鈍化の兆しを見せたが、他の経済指標はインフレが沈静化していると評価するには不十分だとの見方を示す。ウォン氏は根強いインフレを背景に「FRBは慎重姿勢を維持して、積極的な利下げは控えるだろう」と指摘する。 FRBが金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を開くのは2024年は残り5回。6、7、9、11、12の各月に予定されている。ウォン氏は「今年は大統領選がある11月より前に開催される9月のFOMCで1回だけ利下げの可能性があると予想している」とする。 FRBの現状の政策金利は5・25~5・5%。複数回の利下げを期待する市場にとって利下げ回数が減ることはマイナス材料になる可能性が高い。
この先、CPIをはじめとするアメリカのインフレ関連指標の動向がさらに重要になってくる。米国みずほ証券チーフエコノミストのスティーブン・リチウト氏はアメリカ市場の先行きを「前向きに捉えている」と語る一方、企業業績と株価の関係を考えると「市場は少し先走り過ぎだ」と指摘し、FRBの利下げへの過度な期待感に警鐘を鳴らしている。