イーサリアムETFはビットコインETFよりも大規模になる可能性がある:ヴァンエク
米証券取引委員会(SEC)による現物イーサリアムETF(上場投資信託)の承認に関する決定期限が近づく中、業界の専門家らはこのETFの潜在的な需要を見積もっている。
イーサリアムETFの需要は?
イーサリアムETFにはステーキング報酬の分配が認められない可能性が高いため、これに対する投資は意味がないとする声もある。投資家が自分でイーサリアム(ETH)を購入してステーキングしたほうがよいということだ。 しかし、今年発売された現物ビットコインETF10銘柄のうちの一つであるビットコイン・トラスト(HODL)を管理する世界的な投資会社ヴァンエク(VanEck)は、イーサリアムETFが莫大な需要を呼び込む可能性があると考えている。 ヴァンエクのポートフォリオマネージャーであるプラナフ・カナデ(Pranav Kanade)氏は、「市場の観点から見ると、現物イーサリアムETFの市場規模はビットコイン現物ETFと同等以上になるのではないかと考えることもある」と述べた。 発売からわずか約2カ月で現物ビットコインETFに100億ドル(約1兆5000億円、1ドル150円換算)の純流入があったことを考えると、これは達成が困難な目標になるだろう。
イーサリアムはステーキング報酬が発生
カナデ氏は、「お金を生み出す資産を探している投資家の世界は大規模で、イーサリアムは明らかにトークン所有者が受け取ることのできる手数料を生み出す」と説明。「ETFの一部としてステーキングが提供されないとしても、お金を生み出す資産であることに変わりはないため、イーサリアムはビットコインよりも多くの人にとって資産として意味があると思う」と述べた。 イーサリアムブロックチェーンはプルーフ・オブ・ステーキング(PoS)のコンセンサスメカニズムを採用しているため、イーサリアムの保有者はステーキングすることで収益を得ることができる。たとえば、暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)では、イーサリアムのステーキングで約3%の利回りを得ることができる。 それでも、SECが現物イーサリアムETFを承認するかどうかは決して保証されていない。ブルームバーグのアナリストは最近、SECが承認する可能性を、ステーキング報酬の分配が含まれない場合でもわずか30%に引き下げた。カナデ氏はその可能性を50%程度と考えている。