高山植物の女王・コマクサを見るならココ!|植物ライター・成清 陽のヤマノハナ手帖 #36
あの“レッド”が鎮座する「御嶽山」
富士山、立山と並ぶ日本三霊峰として信仰を集める、木曽御嶽山。未だ噴煙を上げる活火山ではありますが、ここもコマクサのスポットがあるんです。ただ、御嶽にはほかの山ではあまり見かけない、鮮烈な赤色のコマクサが散在。勝手に私が“幻のコマクサレッド”なんぞと戦隊まがいの命名をしておりますが(汗)。園芸品種ではという説もありますが、これも一興と愛でてあげたいものです。 Data 平年の見頃:7月上旬~7月下旬(ピーク7月中旬) 最寄り登山口:王滝口 登山口~群生地までの所要時間:片道約5時間 撮影地:サイノ河原周辺。
反則級のアクセス「乗鞍岳」
トリを飾るのは、やはりここ。コマクサ大群生までのアクセスは、おそらく国内No。1!! 畳平のバスターミナルを降りてから、すぐにコマクサを見かけます。問題があるとすれば、ありがたみが薄れること(! )。それほどまでに、安定の株数を誇っているんです。興味深いのは、乗鞍のコマクサはしばしばほかのお花と戯れている点。コマクサはキホン一匹狼なので、このエリアならではの特徴といえるかもしれません。 Data 平年の見頃:7月上旬~7月下旬(ピーク7月中旬) 最寄り登山口:畳平バスターミナル 登山口~群生地までの所要時間:片道約10分 撮影地:畳平周辺。 さてさて、今回ご紹介してきた、コマクサ山。いかがでしたでしょうか? 今回、アップのタイミングが遅れてしまったのは、八か岳へコマクサ撮影に行っていたため。今年は特に花が早く、硫黄岳周辺では終盤にさしかかっていました。開花情報の“見頃”は、意外とピーク通過後が多いという、実例ですね。ただ、自身の勘でピークが当たったときのヨロコビはひとしお!! ぜひぜひ、各山でコマクサの最盛期を狙ってみてください。 それでは、また。 みなさまのココロに、すてきな花が咲き誇りますように。 植物ライター 成清 陽 持ち前の強い好奇心で、大学時代から山・海・島を渡り歩いてきた個性派。自然ガイド、環境コンサル、アウトドア誌編集者、市営公園管理人、企業の森づくりなどなど、自然にまつわる職を転々としたのちにフリーランスに。好きな山は尾瀬、白山、御嶽、北岳。2023年春から岐阜県山間部のプチ古民家に移住し、半隠居ライフを通じて、どこまでユルく生きていけるのか絶賛お試し中です! 写真◎成清陽
ランドネ編集部