新型[フィット]はクラス超えを達成!! [スイフト]の新エンジンはさすがのデキ! 動力性能に不満なし!?
■ホンダ フィット
例によって歩くほどの速度で走り出します。スイフトの後だとずいぶんと足がソフトに感じますが、これが標準的です。 バネがソフトでショックアブの減衰力で姿勢の制御をしています。操舵に対する車体反応の左右差はありません。しっかりとした車体です。全体的に穏やかな動きなのですが、リアショックアブの伸び側減衰が強く、連続する微小段差通過でサスが伸び切らない「底付き」によるゴツゴツが発生します。 操縦性はリアの動きは抑え込んで、フロントを軽快に動かすチューニング。スイフトとは真逆のセッティングです。下り込みのコーナリングでは「フロントの外輪が沈み込んでロールする量も大きく」、つんのめる姿勢となります。 急制動でもノーズダイブが大きく後輪の接地が抜け気味になります。 リアの振動がルーフレールで増幅されて耳元で"ゴー"というロードノイズが響きます。リアサスのブッシュが硬く、リアフロアからピラーに振動が伝わるのが原因。 アクセルに対するトルクはモーター動力の特性でシャープにグイと立ち上がります。動力性能不足を感じることはありません。ただ、エンジンは回転が上がると吸気騒音がガーガーと大きくなります。
■スズキ スイフト(HYBRID MZ)……90点
基本的には前型をリファインしたデザインコンセプトだが、ボンネットフードや、ハッチゲートのパーティングライン隙間の見栄えの処理が粗く、特にフロントセクションではソリッド感のあるユニークな面構成を分断しているのは残念。 車体構造は合理的な改良がされていて、フロント周りは精度よくガッチリした構造になった。これを活かした硬いバネレートのサスセッティングが新型スイフトの操縦性のキモとなっている。 街中での乗り心地は突き上げを感じるが、山道を走ると接地性がよく軽快な操縦性。3気筒エンジンも振動を抑えている。動力性能にも不満はない。 ●水野和敏 スズキ スイフト取材メモ ・新開発1.2L直列3気筒エンジンは振動をうまく抑えており、吸気音も静か。マイルドハイブリッドのモーターアシストによりトルクレスポンスにも優れる。 ・前後サスともにバネレートを高めてショックアブの減衰を弱めたセットアップ。操舵に対しフロントがしっかりと反応して軽快な操縦特性だ。 ・内装も外装も、全体的に仕上げが粗い印象。特にパネル面の合わせなどはもっと精緻にしてほしい。 ●スズキスイフトHYBRID MZ ・全長:3860mm ・全幅:1695mm ・全高:1500mm ・ホイールベース:2450mm ・最低地上高:120mm ・最小回転半径:4.8m ・車両重量:950kg ・エンジン:直列3気筒DOHC ・総排気量:1197cc ・最高出力:82ps/5700rpm ・最大トルク:11.0kgm/4500rpm ・モーター:3.1ps、6.1kgm ・トランスミッション:CVT ・WLTCモード燃費:24.5km/L ・Fサスペンション:ストラット ・Rサスペンション:トーションビーム ・タイヤサイズ:185/55R16 ・車両価格:216万70000円