東京五輪組織委の武藤事務総長が会見(全文1)競技会場の整備は順調
メダルプロジェクト、マスコットデザイン募集についてなど
さて、いよいよ3年後に迫った東京2020大会を史上最もエキサイティングな大会とするに当たって、われわれ組織委員会が取り組んでおります、いくつかのイノベーティブな施策について、これからお話をしたいと思います。これまでの大会にはなかった、これらの斬新な施策はより多くの方々に大会にエンゲージメントをしてもらい、最終的に東京2020大会を極めてイノベーティブな大会とすることを目指すものであります。 まず間もなくオリンピック・パラリンピックフラッグツアーの全国ツアーがスタートいたします。オリンピックフラッグ、パラリンピックフラッグが全国を回ることは史上初の試みです。これまで主に都内や被災地を回っておりましたが、われわれは全ての人々がこの歴史的イベントに触れる機会をうることが必要だと考えております。今後、2年間をかけて全ての道府県に旗を届け、大会に向けた機運醸成に努めてまいります。 次に、みんなのメダルプロジェクトについてお話しいたします。この取り組みはいかに環境の持続可能性を大会に組み込むことができるかという議論から生まれたものであります。組織委員会がNTTドコモ、日本環境衛生センター、環境省、東京都と連絡して使われなくなった携帯電話や小型家電を回収し、そこから得たリサイクル金属を活用してメダルを作るという取り組みであります。オリンピック・パラリンピックメダルを100%、リサイクルメダルで作ろうという試みは史上初であります。4月にこのプロジェクトを始めて以来、すでに日本全国3000カ所以上に回収地点を設け、オリンピアンやパラリンピアンを含む数多くの方々に、要らなくなった携帯電話や電化製品の寄付をいただいております。より多くの方々のご協力をいただきたいと考えていますので、本日、この場にいらっしゃる方々もぜひご協力いただければ幸いであります。 次に東京2020大会マスコットデザイン募集についてお話をいたします。日本がこれまでさまざまな魅力的な、時として風変わりなキャラクターやマスコットを生み出し続けていることはご承知のとおりであります。アニメキャラクターのポケモンや、ゲームのキャラクターのマリオ。またFCCJで記者会見を開いたこともあるくまモンやふなっしーといった地域のマスコットなども、その例であります。東京2020大会でも世界の皆さまに愛されるマスコットが生まれることを期待しております。 そこで8月、この8月1日から14日にかけて、いよいよマスコットのデザイン募集が開始されます。応募の対象者は全ての日本人と在留カードを所持する外国人にも門戸が開かれています。応募作品は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が設置するマスコット審査会の審査でオリンピックとパラリンピックの、これは一対のマスコットですけれども、これを3つないし4つの最終選考作品に絞り込みます。そしてこれらに対して、インターナショナルスクールを含む全国の小学校のクラス単位での投票で最終決定を行います。子供たちが最終審査を務めるというのはオリンピック史上初の試みでありますが、これは私たちが子供たちの視点を大切にしたいという考えから生まれたものであります。ここで最も票を集めたキャラクターが、東京2020大会のオフィシャルマスコットに選ばれます。大会マスコットの着ぐるみやアニメは大会の盛り上げや、大会への親しみをつくり出すために大いに活躍してくれることでしょう。 先ほど申し上げましたビジョンとコアコンセプトの下、組織委員会では日本全国の人々を巻き込んださまざまな参画プログラムを推進しています。昨年10月に始まった、このプログラムには日本国内の200を超える団体が登録を実施し、1万件を超えるアクションが認証されています。現在までのアクションの参加人数は約300万人に上り、大会の機運醸成に貢献してくれています。そしてこの参画プログラムが明後日の7月20日より、大使館などを含むさまざまな国際機関にも拡大されることが決まりましたことを、この場を借りて発表いたします。組織委員会としては国内外を問わず、1人でも多くの方々に大会に参加していただくことを期待しております。 またこの夏には日本全国の夏祭りを応援プログラムに認証し、さらに多くの文化プログラムに拡張していく予定であります。1964年の東京大会では大会を大いに盛り上げるべく、伝統的な歌と踊りからなる「東京五輪音頭」が作られたことをご存じの方もいらっしゃると思います。組織委員会では、間もなくこの曲をアレンジし、新たな歌詞と新たな振り付けでこの音頭のリニューアルを発表いたします。皆さんご承知のとおり、夏祭りは日本の伝統文化の1つであります。全国の人気のある夏祭りとのコラボレーションにより、日本全国の人々と交流し、この国で開催される最大のお祭りとなる東京2020大会に向けて、勢いをつけたいと思っています。 最後にあらためて日々、日本に関する多くの重要な情報を世界中に発信し続けている外国特派員の皆さまに、御礼を申し上げたいと思います。外国特派員の皆さまとFCCJはわれわれ東京2020組織委員会の世界に向けた窓口であります。これからも今回のように皆さんにご説明させていただく機会をできるだけ多く設けさせていただきたいと考えております。 今後3年間の非常にエキサイティングの期間を一緒に楽しみましょう。そして東京2020大会について、ぜひOptimistic viewを持って、組織委員会の活動について、All the positive informationを報道していただければ幸いでございます。これで私のプレゼンテーションを終わらせていただきます。本日はどうもありがとうございました。 【連載】東京五輪組織委の武藤事務総長が会見 全文2へ続く