侍ジャパンがキューバと死闘、決勝ホームを踏んだ代走・五十幡亮汰は「サニブラウンに勝った男」
野球の国際大会「ラグザス プレミア12」で日本が17日のキューバ戦に勝利して1次ラウンドB組の1位通過を決めた。6-6の八回に代走で登場して、栗原(ソフトバンク)の犠飛で決勝点となる7点目のホームを踏んだのは、侍ジャパンの新たな「足のスペシャリスト」として代表に初選手された五十幡(いそばた)亮汰(日本ハム)。「サニブラウンに勝った男」の異名を持つ選手だ。(デジタル編集部)
栃木・佐野日大高から中央大を経て入団4年目の外野手。今月11月に26歳になる。中学までは陸上の短距離選手としても活躍し、埼玉県行田市立長野中学校3年だった2013年夏の第40回全日本中学校陸上選手権では100メートルと200メートルで優勝した。100メートルは10秒92、200メートルでは21秒81というタイム。その100メートルで10秒97の3位だったのが現在、100メートルで日本歴代2位の9秒台の記録を持つサニブラウン・ハキームだった。
五十幡は今季レギュラーシーズンは94試合に出場して18盗塁(盗塁死は9つ)。脚力はプロ野球界でも抜きんでており、走り始めるといきなりトップスピードになる。代走に起用されると、相手の警戒をかいくぐって盗塁を決め、何でもない内野ゴロでもヒットにし、打球が外野手の間を割ると一気に三塁を陥れる。
キューバ戦の八回、日本は先頭の小園(広島)が相手エラーで出塁すると、代走に五十幡を送った。後続打者の死球と内野ゴロで三進すると一死一、三塁、5番・栗原のやや浅めの左飛でタッチアップから快足を飛ばして本塁に滑り込んだ。日本の攻守のキーマンである小園に代えての代走起用。「苦しい試合だった」と振り返った井端監督が打った勝負手が決まった。
これまで侍ジャパンで活躍してきた周東佑京(ソフトバンク)の役目を期待されてフル代表に選出された五十幡。第1回プレミア12と第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表の投手コーチを務めた鹿取義隆さん(元巨人、西武)は「外国の投手はクイックがうまくなく、隙があるからこういう国際大会では足の切り札が絶対に必要だ」と話している。