フィッチ、中国の格付け見通し「ネガティブ」に下げ-格付けA+確認
(ブルームバーグ): 格付け会社フィッチ・レーティングスは、中国の長期外貨建て発行体デフォルト格付け (IDR)の見通しを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に引き下げたと発表した。IDRは「A+」のまま据え置いた。
フィッチは「不動産に依存する成長から中国政府がより持続可能と考える成長モデルに移行する過程で、中国は不確実性の高い経済の先行きに対処せざるを得ず、今回の格付け見通しの修正は、財政見通しへのリスクの高まりを反映した」と説明した。
さらに「最近数年の財政赤字拡大と政府債務の増大が、格付けの観点から中国の財政バッファーを損なった」と指摘。「今後数年は財政政策が成長の下支えで重要な役割を果たす可能性が高まっており、債務の着実な増加傾向が維持されそうだ」と認識を示した。
フィッチは、名目成長率の低下に伴い経済全体の高いレバレッジに対応する困難が増し、偶発債務リスクが高まる恐れもあると分析した。
中国財政省は10日公表した声明で、フィッチの判断が現在の財政政策の好影響を反映していないと反論し、格付け見通し修正に遺憾の意を表明。地方政府の隠れた債務規模は徐々に減っていると主張し、地方政府の債務管理を継続的に強化していく方針を示した。
原題:China Outlook to Negative by Fitch; L-T IDR Rating Affirmed (1)(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Michael Sin