能登半島地震 “被災ペットの今” 保護猫・ミミを抱いて気づいたこと 愛猫家の佐藤梨那アナが取材
■ペットと暮らす人たち “今日からできる備え”
いつどこで起きるかわからない地震。ペットと暮らす人は災害が起こる前に、どんな準備ができるのでしょうか。 佐藤「私は猫3匹が家にいるんですけれども、みんなマイクロチップをつけています。万が一、家から避難しなくてはいけないとなった時のためにリード。そして避難所などで長く生活する時のために、大きめのポータブルのキャリーを備えています。能登半島に実際に行って、車で避難しなくてはいけないかもしれないなど、いろいろと見た結果“これでは足りないのかも”と不安に思っているのですが、改めて被災する前にどういった準備が必要なんでしょうか」 香取「自宅で被災して、自宅で避難生活を送る可能性の方がはるかに高いということを、皆さん意外と思っていないんですよね」 建物の耐震化が進んだ今、在宅避難を想定することが大切だといいます。窓ガラスが割れると猫が家から飛び出してしまう可能性もあるため、一家に一つはケージを持っておくことが有効だといいます。また、ライフラインが途絶えてしまうことを考えて、少なくとも7日分はフードや常備薬を用意しておく必要があると香取さんは話します。 【ペットとの避難生活のために、準備するとよいもの】 ・ケージ ・窓ガラスの飛散防止フィルム(割れた窓からの逃げ出しを防ぐため) ・水(硬水ではなく、軟水のミネラルウオーター など) ・トイレ用品 ・フードや常備薬を多めに用意しておくこと(少なくとも7日分) ・ペットの手帳カルテ(病歴・避妊去勢手術歴・ワクチン歴などを書いておく) そして、建物の倒壊や火災で避難が必要になった時、ペットと同行避難するためには飼育数分のキャリーケースが必要だといいます。多頭飼育の場合、誰がどのようにして運び出して同行避難するのか、あらかじめ想定しておくことが大事に。また、万が一はぐれてしまった時に役立つものが“マイクロチップ”です。飼い主の住所や連絡先などを登録することができ、一度埋め込むと、首輪や名札のように外れ落ちる心配がなく、半永久的に情報を読み取ることができます。 ペットとの避難を想定しておくことは、いざという時にすぐに避難行動することができ、自分の命を守ることにもつながります。自分の場合は何が必要なのか、災害が起きる前に考えて備えておくことが大事だとわかりました。
■取材後記
取材後に行われた譲渡会で、ミミちゃんを含め4匹の猫の新しい家族が決まりました。能登半島地震の被災ペット取材を通して、ストレスを抱え、病気にかかっているペットが多くいることを知りました。私にとって一緒に暮らしている猫たちは、かけがえのない存在です。だからこそ、飼い主の責任として何か起きた時は私が守ってあげなければならないと改めて感じました。取材を終えて、猫の情報をまとめたメモを作りました。すぐにできることから一つずつ、始めてみようと思います。 (取材・文 佐藤梨那)