障害は「私にとっては当たり前」目と耳が不自由な高校生が伝えたかった「日常」
障害は「私にとっては当たり前」
読書体験記を通じて伝えたかったのは「聞こえづらい、見えづらいのが私の日常」だということ。耳と目に障害を抱えることを知った人から、これまでに何度も「大変そうだね」と言われてきた。福永さんは「障害のことを言葉にしてもしなくても、深刻そうに受け止められる。そんなに深刻なことなのかな」と思う。 「私にとってはこれが当たり前。はっきり聞こえる、よく見える状態を経験したことがないので、つらいと思うことはないんです。『障害がある』というと、とても苦労しているように捉える人もいると思うけれど、私のように障害を淡々と受け止めている障害者もいる。特別扱いしないで構わない」
グラフィックデザイナーを夢見て
高校は寄宿舎生活。忙しさから一人の時間がなくなると、パンクしそうになることもあった。そんなときは趣味に没頭する時間を持ち、毎日を楽しんでいる。「子どもの頃から絵を描くことが大好き。この間はCDジャケットを半日かけて黙々と模写してました」 著者の椿冬華さんは自身を絵本にし、インターネットで伝えていると知った。「作者の行動力はすごい。私も絵と文を書くのが大好き。『やってみたい』と刺激を受けました」 4月からは大学に進学しデザインを学ぶ。「音楽も好きなので、音楽の魅力をデザインで伝えられるようになりたい」。グラフィックデザイナーを夢見て新しい一歩を踏み出す。
高校生新聞社