<独自>周庭さん「弁護士への相談を禁じられた」 現地カナダで独占取材 ”スパイ行為”打診も…【WBS】
去年カナダにわたり亡命宣言をした香港の民主活動家・周庭、アグネス・チョウさん。世界初となるカナダでの独占取材の様子を番組でお伝えしましたが、アグネスさんは、このインタビューの中で、カナダに渡る直前、香港の警察に中国本土へ連れて行かれ、その際弁護士への相談を禁じられたと明かしました。 【動画】香港警察 周庭さんを指名手配 カナダ・トロント。テレビ東京のカメラの前に現れたのはアグネスさんです。 「お久しぶりです。元気だった」(池上彰さん) 「元気です。生きています」(アグネスさん) アグネスさんは「香港国家安全維持法」違反の容疑で逮捕され、保釈中だった去年、香港政府に留学を認められ、カナダに渡りました。しかしその後、香港の状況や身の安全を考え、12月に事実上の亡命を宣言しました。 「(香港には)知り合いも家族もいる。つらい選択だったのでは」(池上さん) 「そうですね。難しい選択だったと思います。今でも自分は香港人だと思っているし、香港は自分の家だと思っているが、過去の3年間、香港は私にとって『恐怖の場所』でしかないというのもあって。特に過去の3年間、定期的に国家警察に会わなきゃいけなかった」(アグネスさん) 2020年に刑務所に入り、翌年に出所してからもアグネスさんは定期的に香港国安警察に尋問を受けたといいます。そこで、カナダ留学後に他の活動家の情報を当局に提供することを求められたとテレビ東京の取材に明かしました。いわばスパイ行為の打診です。 アグネスさんはそれを断ったといいますが、その後カナダに渡る前に中国本土で多くのハイテク企業などが集まる深圳を巡る「愛国ツアー」に参加させられることに。そのとき驚きの出来事がありました。
「『弁護士に言ってもいいですか、この話について』と言うと、国安警察に『言ってはだめ』と言われて」(アグネスさん) 「弁護士に言うなと」(池上さん) 「香港政府は常に『香港は法治社会』『香港には法の支配がある』と言うが、明らかに法の支配の社会のやり方ではないと思う」(アグネスさん) この愛国ツアーへの強制参加について、今のところ法的な根拠は示されていません。 現在、香港政府は国家安全条例を制定しようとしています。「国家への反逆」や「反乱扇動」「外国の政治組織・団体の香港での政治活動」などを禁じる法令で、これができれば既にある「香港・国安法」を補完し、民主化運動への締め付けはさらに厳しくなります。 「『国安法』に含まれていない部分も含んでいて、ますます弾圧というか取り締まりがどんどん厳しくなる」(アグネスさん) アグネスさんは最近、YouTubeやX(旧ツイッター)を再開し、事実上の亡命により可能になった”自由な発信”に力を入れています。一方で、カナダや日本、ヨーロッパなどでも中国警察の拠点があると報じられているため、常に警戒しています。 「カナダに来て怖い時もある。警戒心を常に持たないといけないが、ようやくこの3~4年の出来事・経験を世間に言うことができる」(アグネスさん) 今後の活動について、アグネスさんは「人は自由がないとどれほどつらくなるのか、いろいろ経験した。自由の大切さを世界中の人々に教えたいと思う」と語りました。 アグネスさんに対する現地カナダでの独占インタビュー動画は、テレ東BIZ「池上彰がいま話を聞きたい30人」で配信中です。 ※ワールドビジネスサテライト