スポーツ賭博の代償…出場停止処分を受けたサッカー選手たちとは?
■MFサンドロ・トナーリ
今季プレミアリーグでは、スポーツ賭博で出場停止処分を受けた大物選手がもう一人いる。それが、今季20年ぶりにチャンピオンズリーグに出場したニューカッスルが、大枚を叩いて連れてきた目玉補強。イタリア代表MFサンドロ・トナーリ(23歳)である。トナーリはブレシアでキャリアをスタートさせると、若くしてイタリア代表に選ばれるなど注目を集め、2020年に20歳でミランに加入。すると名門チームでも徐々に存在感を発揮して定位置を確保すると、2022年から代表チームでもレギュラーの座を掴み、欧州屈指のミッドフィルダーの地位を確立した。 そして昨年7月に7000万ユーロ(約115億円)でニューカッスルに鳴り物入り。イタリア人として歴代最高額のプレーヤーとなった。新天地では開幕戦でいきなりゴールを奪うなど、即座に結果を残していたが、10月に入って状況が急変。違法賭博への関与の疑いでイタリア検察庁とイタリアサッカー連盟から取り調べを受けることになったのだ。トナーリはミラン時代に自分の所属するチームの試合でも賭け事を行うなど、イタリアの賭博規定に違反したことで10カ月間の出場停止が確定。昨年10月から今年8月までの出場停止処分のため、6月にドイツで開幕するEURO 2024本大会にも出場できない。 トナーリは出場停止期間中も練習参加は認められており、更生プログラムやギャンブル依存症セラピーでイタリアに戻ることはあっても、普段はニューカッスルで練習に励んでいる。その態度は素晴らしいそうだが、大金で獲得した選手がわずか3カ月で長期出場停止処分となったニューカッスル側は「もし10カ月も離脱することが分かっていたら、契約内容を見直したり、契約の形を変えたりしたはず」と漏らしている。 昨年のイタリアサッカー界はスポーツ賭博問題に揺れた。最初はユヴェントスに所属するイタリア代表MFニコロ・ファジョーリ(23歳)に疑いが浮上し、ある違法ネット賭博をイタリア当局が調査している時にファジョーリにも調査が及んで、同選手は7カ月間の出場停止処分を受けた。その流れでトナーリも取り調べを受けたのだ。さらにアストン・ヴィラのイタリア代表MFニコロ・ザニオーロ(24歳)も調査の対象となったが、同選手は違法サイトでのカードゲームなどの賭博は認めるも、スポーツ賭博に関しては完全否定しており処分を受けていない。