「違憲」と批判浴びた台湾警察が急変、集会申請を認める/台湾
台湾の国会に相当する立法院を占拠していた学生らが議場内から撤退した翌日の4月11日朝、現場で座り込みを続けた団体のメンバーらが、警察に「今後、集会申請は認めない」と強制排除されたことに怒った市民ら千人が警察署を包囲して抗議した問題で、警察は4月13日夜、一転して申請を認めると発表した。
■怒った市民が警察署を包囲、一転し申請を許可 すでに5年前から立法院前で座り込みを続けてきた団体「公投護台湾聯盟(国民投票で台湾を守る連盟)」は、事前に集会の許可を得ていたにもかかわらず、警察が排除を強行。さらに、警察は公式サイトで「今後、同聯盟の集会申請はいっさい許可しない」と発表していた。 この排除に怒った学生や市民らが11日夕方、「警察の憲法違反行為」、「国家暴力」などと書かれたプラカードを手に、台北駅近くの警察署「中正一分局」の前に集結。およそ2000人の市民が署を包囲した。その後、警察署の方(ほう)分局長が謝罪した上で辞意を表明したことを受けて、事態は収束。 方氏は11日の議会で、市議からの質問に対して答えた際、「たとえ、憲法違反(言論の自由と集会の自由)だとしても、同聯盟の集会申請を許可するつもりはない」と強気の姿勢を見せていた。しかし13日、警察は態度を急変させ、同聯盟からの集会申請を許可。その理由は、「同聯盟は立法院前の広場から、すでに撤退させられているから」という苦しいものだった。 ■団体代表「彼の判断ではない。“真犯人”は…」 およそ200人の同聯盟のメンバーと支持者は4月13日夜、立法院の前に集まり、総発起人の蔡氏が「方分局長とは長い“付き合い”なので、11日の強制排除は彼の判断だとは思わない。方氏は私に『上の人間が警政署長(警視総監に相当)に圧力をかけたから、排除せざるを得ない』と言った。だから、“真犯人”は行政院院長(首相に相当)、もしくは馬英九総統だろう」という考えを示した。
■台北市長は「市民の圧力に屈しない」 この騒動に対して、台北市長のかく(「赤」に「おおざとへん」)氏は「警察署を包囲することは違法だ、包囲した人々の圧力に屈すつもりはない。方氏の辞任は認めない」とコメント。一方、馬政権の強引な政局運営に対して、「反馬英九」の声が台湾人の間に広がりつつあり、馬総統の母校である台湾大学法学部の部長は4月12日の校内シンポジウムで突然、学生たちに向って「すまない、台湾大学法学部は馬英九に対する教育に失敗しました」と冗談交じりに陳謝した。 (文責:TomoNews/台湾) ■関連動画