【鈴鹿8耐】ジーノ・リア、2022年の大怪我から8耐へ帰還。レースは完走ならずも「夢叶った」
ジーノ・リアは2022年に行なわれた鈴鹿8時間耐久ロードレースでクラッシュし、大怪我を負った。今年、彼はいよいよレースシーンへと復帰してきたが、鈴鹿に戻って来ることに対しては流石に思うところがあったという。 【ギャラリー】今年もアツい! 2024鈴鹿8時間耐久ロードレース リア(当時F.C.C. TSR Honda France)は2022年8耐の土曜フリー走行(8月6日)終盤に、日立Astemoシケインでクラッシュ。セッションは赤旗中断となり、リアはドクターヘリで三重県立総合医療センターへと搬送された。 当初、リアは意識不明の重体と伝えられ、危険な状態だとされていた。ただ彼はそこから驚異的な回復を見せ、8月中旬には人工呼吸器を外し、病院内での歩行を再開させるなど、快方に向かい、9月上旬には母国イギリスへ帰国し、リハビリを継続することになった。 翌2023年4月にリアは事故後初となるバイクのライディングを行なった。さらに2024年にはEWCのSSTクラスを戦うWójcik Racing Teamのライダーラインアップにも加わり、レースシーンへ復帰。そして因縁の鈴鹿8耐にもリアが参加することとなった。 リアに鈴鹿8耐へ戻ってきたことへの感覚を尋ねると、「信じられない」と語った。 「僕は日本が大好きだから、ここにカムバックすることができて本当に素晴らしい気持ちだ」 「事故のあと、ここに自分が戻ってきたという現実感が、まだ無いんだ」 「まさに夢のようだ。夢が叶ったんだ。あの事故のあと、ここに戻ってくるということは僕の目標だった。そして肩の荷を取り除くこともね」 「だから信じられないようなフィーリングがある。上手く乗れているし、自信も増している」 ともすれば2年前のクラッシュでライダー生命どころではなかった可能性すらあったリア。因縁の鈴鹿へ戻って来ることに対して、恐怖などの気持ちはなかったのか? その点について彼は「両方あった」と答えている。 「時にはね」 「でも基本的にはノーだ。ウォールにぶつかるというとても奇妙なクラッシュだった。ここでクラッシュするというのはあまりない。だからまた僕はライディングができるという自信があったし、恐怖を乗り越えたかったんだ」 「もう一方の側面では、行きたくなかった。危険があることを知っているからだ。だけど、それがレース人生なんだよ」 「日本のファンの皆には、歓迎してくれて感謝しているし、大好きだ。皆も僕のようにポジティブな気持ちやモチベーションを維持してほしい」 なおリアは2024年の鈴鹿8耐では、序盤に転倒。チームはマシンを修復して走行を継続したが、後にリアが2度目の転倒を喫し、レースはリタイアで終えている。
永安陽介