北朝鮮のウクライナ派兵で朝鮮&台湾「ダブル有事」が勃発する!?世界大戦に発展する可能性も
日米関係の構築は首相次第
いずれにせよ、日本の安全保障という観点では、米国との関係を深めることが、中国、ロシア、北朝鮮といった非民主主義国家との戦争を避けるために重要だ。 そのためにはトランプに対応できる政治家が必要で、それは左に寄りすぎている首相では難しい。安倍元首相のようにトランプとうまく関係を構築できればまったく問題ないが、まさに首相次第だといえる。 日米同盟の強化や集団安全保障体制の構築もさることながら、中国、ロシア、北朝鮮が相互に協力しないようにくさびを打ち込むことも重要だ。最も交渉しやすいのは北朝鮮だが、それには拉致問題の完全解決が前提となる。
戦争回避のためには、極東アジア全体を俯瞰することが不可欠
極東地域に手が回らないロシアとも交渉する余地はある。安倍元首相の場合、三正面作戦(中国、ロシア、北朝鮮)を避けるため、まずはロシアとの関係改善を試みていた。 しかし、これはウクライナ侵攻の発生前のことで、西側諸国と基本的には同調しつつ個別問題では柔軟な姿勢だったが、このアプローチを再び試みることも一つの方法だ。 スウェーデンとフィンランドのNATO加盟によりバルト海が封鎖されたことで、ロシアが極東を重視する可能性が高まっている。そのため、日本にとってもチャンスがある。 いずれにせよ、対ロシア、対中国の戦略だけでなく、極東アジア全体を俯瞰して広い視点で戦略を考えることが必要だ。 <文/髙橋洋一 構成/日刊SPA!編集部> 【髙橋洋一】 1955年東京都生まれ。数量政策学者。嘉悦大学ビジネス創造学部教授、株式会社政策工房代表取締役会長。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年に大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、内閣参事官(内閣総務官室)等を歴任。小泉内閣・第一次安倍内閣ではブレーンとして活躍。「霞が関埋蔵金」の公表や「ふるさと納税」「ねんきん定期便」などの政策を提案。2008年退官。菅義偉内閣では内閣官房参与を務めた。『さらば財務省!』(講談社)で第17回山本七平賞受賞。その他にも、著書、ベストセラー多数。YouTube「髙橋洋一チャンネル」の登録者数は123万人を超える。
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