日本語が苦手な外国人児童らの教育環境整備を 自民・萩生田光一氏らが超党派で勉強会
自民党の萩生田光一元文部科学相や国民民主党の伊藤孝恵参院国対委員長ら超党派の有志議員が21日、外国人児童や生徒らの日本語教育に関する勉強会を開いた。在日外国人の増加に伴い、日本語を読み書きできない外国人の子供も増えつつある。地元企業や自治体、ボランティアらを巻き込み、党派を超えて日本語を習得できる環境整備のあり方を模索する。 【グラフでみる】中国人を抜き… 川口クルド人「子供率」20%で突出 ■国内になお8600人 勉強会は、伊藤氏や自民の永岡桂子元文科相らが呼びかけ人となって開かれた。 文科省が令和元年5月に実施した調査では、全国で小中学校に通っていない在日外国人の子供が約2万人いることが判明した。これ以降、地方自治体が就学案内を外国人の家庭に送ることを定めた指針の策定などの効果もあり、学校に通わない外国人の子供は減りつつある。それでも、5年度調査では約8600人の子供が不就学となっている。 萩生田氏は勉強会で「外国人の子供らが、わが国で生活の基礎を身につけ、能力を伸ばしていくためには、学校で適切な教育の機会が確保されることが必要だ」と述べ、与野党の垣根を超えて議論を重ねる意向を示した。 勉強会では、愛知県の担当者が産官学で連携して日本語教室の充実に取り組んだ実例を紹介した。同県では、トヨタ自動車の拠点がある豊田市を中心に日系ブラジル人の不就学児童らが急増した経緯がある。担当者は「運営は高齢者が(中心に)行い、ボランティアも継続して来ることができる人が少ない。教材の印刷コピー代やちょっとしたお菓子代など、月1、2万円の運営費も負担になっている」と指摘。「行政と地域の日本語教室がつながる仕組みを作っていくことが重要だ」と強調した。 勉強会では、日本語ができないため、学校で委縮してしまい、不登校になってしまいかねない事例なども報告された。 会合後、伊藤氏は記者団に「(外国人の)子供たちは働く人たちになる。企業からどのように支援を受けるかも含めて、還元する社会を作っていく観点で勉強会を重ねたい」と語った。(奥原慎平)