マイケルジャクソンのDVDを”意外なところで”販売し大ヒット…天才経営者の驚異的な「マーケティング戦術」
近年注目が集まっているアントレプレナーシップ。「起業家精神」と訳され、高い創造意欲とリスクを恐れぬ姿勢を特徴とするこの考え方は、起業を志す人々のみならず、刻一刻と変化する現代社会を生きるすべてのビジネスパーソンにとって有益な道標である。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 本連載では、米国の起業家教育ナンバーワン大学で現在も教鞭をとる著者が思考と経験を綴った『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』(山川恭弘著)より抜粋して、ビジネスパーソンに”必携”の思考法をお届けする。 『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』連載第18回 『「やらない理由ばかり考えるな」! …起業家教育のプロが語る「プランの立て方」に東大生も驚愕』より続く
Post-mortemとPre-mortem
Post-mortemに対してPre-mortemという言葉があります。日本語に直訳すると「死後と死ぬ前」という物騒な言葉になってしまうのですが。前者は医学的には死後観察、死因の鑑定。後者は死ぬ前の観察ということになります。 この言葉は、アントレプレナーシップや失敗学では、死後、つまりプロジェクトが失敗した後に理由を特定するのではなく、プロジェクトの開始時点など、失敗する前に「失敗したことにして、原因を割り出そう」とするプロセスをいうものです。 プロジェクトのキックオフ時にいきなり「本日、このプロジェクトは失敗した、原因は何だ?」と始めるわけです。いきなり「縁起が悪い」と思うかもしれませんが、事前に懸念点をピックアップしていくのです。 本来は、懸念点に対して対策を用意しておくためにやるものです。リスクは可視化された段階でリスクではなくなります。ところが、日本企業でこれをやると、「懸念点」が「やらない理由」にすり替わってしまい、あまりにも失敗する理由が多くリストアップされるため、意気消沈、ひどい場合はプロジェクト中止ということになってしまう、ということもあるようです。