大阪マルビル、電光掲示板の〝復活〟目指す 円筒維持、ホテルやコンサートホールも設置
大和ハウス工業は19日、JR大阪駅南側で解体工事が完了した「大阪マルビル」の建て替え計画の詳細を発表した。従来の円筒の形状を維持しつつ、高さを約1・5倍にし、ホテルやコンサートホールなどを備える複合施設とする。大阪市内で会見した芳井敬一社長は、多くの人に親しまれた屋上の電光掲示板の〝復活〟も目指す考えを明らかにした。 【写真】新しい大阪マルビルの完成予想模型 解体前の大阪マルビルは1976年に開業。円筒の形状や緑色のツタが壁面をはう外観で知られ、屋上の電光掲示板は「回る掲示板」の愛称で親しまれた。 ただ、老朽化などで2022年に建て替えが決まり、今年9月に地上部分の解体が完了した。大阪・関西万博の会場に向かうバスターミナルとして跡地を活用した後に、30年の開業を目指し新ビルが建設される。 新ビルは円形の建物が積み上がるような形状で、高さは解体前のビル(124メートル)の約1・5倍の約192メートル。展望スペースや約1200人を収容できるコンサートホールなどが設置されるほか、商業施設や、都市型・ラグジュアリーの2種類のホテルも入居する。 地下から低層階にかけては、LEDディスプレーを使った球体の映像施設が設置され、来館者は球体の中をエスカレーターで移動しながら映像を楽しめる。建物の屋上には、新たな電光掲示板の設置が検討されており、「行政との間で協議を進めている」(芳井氏)。 大阪駅周辺の梅田エリアでは「うめきた2期(グラングリーン大阪)」など再開発が進むが、芳井氏はマルビルについて「文化や芸術の発信をより重視する場になる」とした。ビルは、大阪メトロ四つ橋線の西梅田駅とも地下通路を通じてつながる。(黒川信雄)