今オフに物議を醸した「人的補償」をめぐる騒動に球界OBが見解 指摘した「一番の問題点」とは?
今オフ、プロ野球ではFA制度が大きな話題となっている。 昨年12月19日、西武からFAにより山川穂高のソフトバンク移籍が発表された。その後、今年に入り人的補償として一部メディアで和田毅の名前が上がった。最終的には甲斐野央が西武へ移籍することとなったが、この一連の流れについて、ファン、マスコミの間でさまざまな憶測を呼ぶこととなった。 人的補償をめぐり、本来、水面下で進められるはずである西武、ソフトバンク、両球団間の動きが報道で伝えられるなど物議を醸した今回の一件には、球界OBからも疑問を呈す声が上がっている。 今季よりNPBファームリーグに参入する、オイシックス新潟アルビレックス監督の橋上秀樹氏が1月26日に配信となったYouTubeチャンネル『橋上秀樹アナライズTV』の中で、今回のFAに関して自身の見解を語った。 橋上氏は「プロテクト、人的補償などについて今までは、それほど大きな話題にはならなかったが、今オフのFAに関しては皆さんが色々と思うことがあったのでは」と前置きし、続けて「今回一番の問題は、人的補償について球団より先に、新聞発表があったこと」と指摘。 その上で、「人的補償、プロテクトなどは球団にとってはトップシークレットのはずなんです。これらが先に、メディアに流れたことが一番の問題」と強調している。 さらに、「名前が挙がった選手にとってみれば、心中穏やかではなかったはずです。(先に)球団から言われるのであれば順番的には間違いはない。それが、球団発表より先にメディアで流れた。また、記事の内容も決して的外れのものでもなさそうだった」と経緯を振り返った。 また、橋上氏はプロテクトについて「編成の問題になりますから、(球団の)フロントが主導でやっているのが大半だと思います」と説いている他、今回の一連のFA騒動を踏まえ、「『どういう内容であるか』というよりも、『どこから漏れたのか』という方が問題となった。今後に向けて検証しなければいけない部分かなと思います」としている。 今オフ、FAでの人的補償という制度、さらに球団とメディアの関係性がクローズアップされることとなった。プロ野球界のさらなる発展のためには、それぞれの問題点を早急に解決することが求められる。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]