ECBのカジミール氏、9月まで待つ必要-次の利下げ見極めで
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁は9月のECB政策委が追加利下げを行うかどうかの鍵になるとの認識を示し、経済への物価リスクを評価するためにはより多くのデータと時間が必要だとし、7月に利下げがある可能性を暗に否定した。
同総裁は10日公表された寄稿文で、「われわれには決定を急がずに夏を楽しむ余裕がある。急ぐ必要はないし、急ぐ理由もない」と指摘。「9月は極めて重要な月になるだろう」と記し、その時期に発表される新しい予測に触れた。
「それは、われわれのスタンスを再評価し、金融政策の設定を調整する必要があるかどうかを決定する適切なタイミングとなるだろう。要するに、利下げを行うかどうかということだ」と論じた。
ECBが先週0.25ポイントの利下げを実施して以来、カジミール氏は政策担当者として今後の道筋についてこれまでで最も明確に述べた。「何ら可能性を除外することなく、一歩ずつ前進することが最も賢い方法だ」と主張し、「ユーロ圏の経済状況は依然として脆弱(ぜいじゃく)で、『インフレの獣』はまだ倒されていない」との見方を示した。
ECB政策委メンバーのカザークス・ラトビア中銀総裁は10日先に、「インフレは再燃する傾向がある」と警告を発していた。
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原題:ECB Must Wait for September to Gauge Next Rate Cut, Kazimir Says (抜粋)
--取材協力:Aaron Eglitis、Alexander Weber.
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Daniel Hornak