老後までラストスパート!【50歳代】みんなの貯蓄額はいくら?貯蓄ゼロでも公的年金があれば何とかなるのか
《公的年金の予習》50歳を境に変わる「ねんきん定期便」の記載事項とは?
毎年の誕生月に届く「ねんきん定期便」を利用して、ご自身の年金見込み額を確認している人も多いでしょう。 実はこの「ねんきん定期便」の記載内容は、50歳を迎えると記載事項が変わります。 49歳までは「それまでの加入実績に応じた年金額」が記載されていますが、50歳を過ぎると「いまの年金加入条件が、60歳まで続いた場合の年金見込額」に変わります。 それまでは「何となく」だった金額が、より具体的で現実的な見込額になるため、「いよいよ現役時代のラストスパート」という実感を覚える人もいるでしょう。 老後の年金額は人それぞれで大きく異なり、厚生年金を受け取る会社員や公務員であっても、年収や厚生年金加入期間によって個人差が生じます。 次章にて、現在のシニア世代がどのくらい年金を受け取っているのか、確認していきましょう。
【厚生年金・国民年金】「いまのシニアはどのくらいもらえている?」年金一覧表を確認
公的年金の給付水準は、物価や賃金の変動を受けて見直しが行われていますが、現在の受給額事情を知ることは、現役世代が老後を見据えたお金の計画を立てる上で参考になるでしょう。 そこで、現在のシニア世代が受け取っている年金額を、厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに確認していきます。 国民年金と厚生年金それぞれの平均月額だけではなく、受給額ごとの受給権者数も紹介しているので、個人差・男女差にも着目してみてください。 ●【年金一覧表】国民年金の平均月額と受給額ごとの受給権者数 【国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額】 ・〈全体〉平均年金月額:5万6316円 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円 【国民年金の受給額ごとの受給権者数(1万円刻み)】 ・1万円未満:6万5660人 ・1万円以上~2万円未満:27万4330人 ・2万円以上~3万円未満:88万1065人 ・3万円以上~4万円未満:266万1520人 ・4万円以上~5万円未満:465万5774人 ・5万円以上~6万円未満:824万6178人 ・6万円以上~7万円未満:1484万7491人 ・7万円以上~:178万3609人 国民年金の平均年金月額は、全体・男女別ともに5万円台で、ボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」です。 ちなみに国民年金の場合、40年間(480カ月)の全期間、年金保険料を納付すれば満額が受け取れ、2024年度の国民年金の満額(※)は6万8000円です。 上記から、多くの人が満額に近い金額を受け取れていることがみてとれます。 次章では、厚生年金の平均月額・受給割合についても見ていきます。 ●【年金一覧表】厚生年金の平均月額と受給額ごとの受給権者数 【厚生年金の平均年金月額】※国民年金の月額部分を含む ・〈全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 【厚生年金の受給額ごとの受給権者数(1万円刻み)】※国民年金の月額部分を含む ・1万円未満:6万1358人 ・1万円以上~2万円未満:1万5728人 ・2万円以上~3万円未満:5万4921人 ・3万円以上~4万円未満:9万5172人 ・4万円以上~5万円未満:10万2402人 ・5万円以上~6万円未満:15万2773人 ・6万円以上~7万円未満:41万1749人 ・7万円以上~8万円未満:68万7473人 ・8万円以上~9万円未満:92万8511人 ・9万円以上~10万円未満:112万3972人 ・10万円以上~11万円未満:112万7493人 ・11万円以上~12万円未満:103万4254人 ・12万円以上~13万円未満:94万5662人 ・13万円以上~14万円未満:92万5503人 ・14万円以上~15万円未満:95万3156人 ・15万円以上~16万円未満:99万4044人 ・16万円以上~17万円未満:104万730人 ・17万円以上~18万円未満:105万8410人 ・18万円以上~19万円未満:101万554人 ・19万円以上~20万円未満:90万9998人 ・20万円以上~21万円未満:75万9086人 ・21万円以上~22万円未満:56万9206人 ・22万円以上~23万円未満:38万3582人 ・23万円以上~24万円未満:25万3529人 ・24万円以上~25万円未満:16万6281人 ・25万円以上~26万円未満:10万2291人 ・26万円以上~27万円未満:5万9766人 ・27万円以上~28万円未満:3万3463人 ・28万円以上~29万円未満:1万5793人 ・29万円以上~30万円未満:7351人 ・30万円以上~:1万2490人 厚生年金の平均月額は、全体で14万円台となっていますが、男女別に見ると男性は16万円台、女性は10万円台と大きな差が生じています。 これは、現役時代の働き方や収入の差、加入期間などが反映された結果と言えるでしょう。 ご自身の年金見込み額をより詳しく知りたい場合は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で把握しておきましょう。