秩父の中国茶専門店「茶論 茶と菓。」が1周年 虹色の「推し活茶」も
秩父鉄道・和銅黒谷駅から徒歩約2分の場所にある、中国茶を中心に提供する「茶論(さろん) 茶と菓。」(秩父市黒谷)が11月17日で1周年を迎えた。店は「和銅ぶどう園」の直売所を活用している。(秩父経済新聞) 【写真】中国茶専門店「茶論 茶と菓。」 外観 「実はコーヒー派」と明かす店主の四方田望さん。かつて秩父のホテルで勤務していた際、紅茶の知識不足から接客で失敗した経験を機にお茶の勉強を始めた。ルピシアティースクール認定の「世界のお茶マイスター『茶ムリエ』をはじめ、ティーインストラクター、紅茶コーディネーター、日本茶アドバイザーなどの資格を取得し、ホテル閉業後は茶葉店やカフェなどお茶に関する仕事に携わってきた。 四方田さんは、つまみ細工作家「chinois(シノワ)」としても活動しており、秩父銘仙の織元「逸見織物」の公認作家として同織元の生地を使った作品を制作している。四方田さんは「いつかギャラリーカフェのようなものができたら、と考えていた」と振り返る。「和銅ぶどう園」の直売所では、逸見織物の生地を使った商品を展示しており、逸見織物の逸見恭子さんから「直売所が使われていない11月~7月に直売所を活用したらいいのでは」と農園関係者らや四方田さんに提案したことがきっかけで開業に至った。当初は日本茶専門店を開くことも考えたが、秩父では日本茶が無料で提供されることが多く、独自性を持たせるためにも中国茶を選んだ。 店内1階にテーブルやカウンター19席、2階に50人程度が利用できる座敷を用意。メニューには、ウーロン茶(800円~)、紅茶、花茶(以上900円~)などを用意し、それぞれ専用の茶器で提供する。11月からは7色の展開で「虹色八宝茶」(各800円)も提供。八宝茶の「八宝」とは「大切なものがたくさん」という意味。氷砂糖やハーブ、ドライフルーツなどをブレンドした中国茶で、漢方薬に用いられる食材などもオリジナルで配合している。赤や青、緑など全7色の発色を研究し、「推し活」にちなんで自分の推しのイメージカラーや、使っているブレンドの内容から好みのものを選んでもらう。 店を訪れる客の中には「コーヒーも飲みたい」との声もあり、開店当時は取り扱っていなかったが、「ちちぶコーヒー」(熊木町)や「長瀞珈琲焙煎室」(長瀞町長瀞)の協力を得て、中国茶の生産地としても知られる中国・雲南省のコーヒー豆を使って提供している(450円~)。 軽食では台湾料理のかけご飯、豚肉を使った「魯肉飯(ルーローハン)」や鶏肉を使った「鶏肉飯(チーローハン)」(以上1,300円)、台湾の屋台グルメ「葱抓餅(ツォンジュアビン)」(500円)、「金木犀(キンモクセイ)のクリームティーソーダ」(850円)、台湾の伝統的なスイーツ「仙草凍(センゾウゼリー)」「愛玉凍(オーギョーチゼリー)」「豆花(トウファ)」(以上680円)などを提供。トウファはオープン前日まで台湾人の友人による「厳しい試食」を重ねた。豆乳や製法の違いに試行錯誤しながら、約2年間かけて改良し続けてレシピが完成したという。 「中国茶は茶器が小さいため、初めて見る人には高額に感じて驚くかもしれないが、4煎以上お湯を継ぎ足して飲めるものが多い。何度もお湯を継ぎ足して、読書やパソコン作業などをしながら、ゆっくりと過ごしていただけたら」と呼びかける。「ただ、1人で営業しているため混雑時には少しお待たせすることもある」とも。 営業時間は11時~16時(ラストオーダー)。木曜定休。
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