狭小地でもあきらめない!厳しい制限付きの23坪の敷地に14個の空間をつくった建築家の自邸
大阪府豊中市に拠点を置く建築家・竹本卓也さんの自邸。「間口や建坪、斜線制限が厳しい敷地でも過不足ない家」を見事にかなえたスキップフロアの住まいは、数字では測れない、空間の豊かさを教えてくれます。 【写真集】制限付き23坪の敷地に14の空間!?建築家・竹本卓也さんの自邸
条件付きの敷地に”当たり前でない”ユニークな空間が誕生
片持ちのポーチやスキップしたリビングが、緻密なプランをうかがわせる外観。その内部は登り梁のもと、天窓の光と高窓の景色が映し込まれた大空間が広がります。自邸の設計にあたり、「狭小地にあっても当たり前をあきらめない、当たり前でない家」を目指したという竹本卓也さん。
14の空間を9つのレイヤーでつなげた多彩な場を楽しむスキップフロアの家
西側道路の敷地は約23.2坪。間口5m×奥行き15mと東西に長い形状のため、建物全体が真北からの高度斜線の制限を受けるのが課題だったといいます。 「床や天井のレベルで空間を仕切りながら緩やかにつなぐ、スキップフロアのプランです。9つのレイヤーがあり、廊下のないひとつながりの構成としています」 エントランス、トイレ、床下収納、洗面室、浴室、主寝室、リビング、キッチン、ダイニング、タタミスペース、ホール、デッキ、寝室、ロフトの14の空間を9つのレイヤーでつなげています。
1階は8畳の床下収納があるリビングと水回り、2階はキッチンとダイニング。階層がずれたスペースに畳床やデッキが続き、広がりと多彩な場をもたらしています。 材を金物で緊結するホームコネクター工法によって、2階は柱で遮らない大空間を実現。ダイナミックに視線が抜け、光の陰影が際立つ建築でフレーミングされた空の表情を楽しむことができます。敷地の可能性を生かしきった住宅には、「外部や自然を感じながら、家族がつながって過ごす」という普遍的な心地よさが宿ります。