徳島県那賀町の休校小学校舎での車エビ陸上養殖「26年度実用化にめど」 町内で報告・試食会「味は抜群」新産業創出に期待
徳島県那賀町は、同町大久保のもみじ川温泉で、町が昨年8月から取り組んできた車エビ陸上養殖の実証実験の報告会と試食会を開き、町内の飲食店関係者ら16人が参加した。 3年前に徳島のスーパーで買って食べたパイナップルのへた、鉢植えでグングン育ち実がなる
試食会では車エビ7匹を使った刺し身やタルタル焼き、アーモンド揚げなど8種類を提供。参加者は工夫を凝らして調理された養殖エビの味を堪能した。同町沢谷のレストハウス「ファガスの森・高城」の管理人・平井滋さん(74)=小畠=は「味は抜群。訪れた人に車エビの塩焼きなどを提供して喜んでもらいたい」と話した。 事業委託業者による実験結果の報告会もあった。休校中の平谷小の給食室に設置した3基の養殖用プールで育った車エビは、4~5センチ(約5グラム)だった体長が平均15センチ(21・7グラム)ほどまでに育った。総収穫量は13・3キロで、1100匹の生存率は62・4%(687匹)だった。 11月中旬に約1週間、水温を調整するヒーターの故障で2基の生存率が低下したものの、正常に機能していた1基では75・2%と、目標としていた目安の7割を超えた。町は26年度から商業ベースでの実用化を目指しており、「一定の成果が出たので、実用化のめどが付いた」としている。 町は4~12月に約2000匹を養殖する計画。町内の飲食店で車エビを提供して多くの人に味わってもらい、山間部で育てたエビとしてPRすることなどを検討している。