地域医療の学び場に 和歌山県北山村が研修センター開設
和歌山県北山村は7日、同村大沼にある村内唯一の医療機関、国保北山村診療所内に設置した「村地域医療研修センター」の開設式を開いた。医療や介護に携わる人材の確保・育成を目指し、村全体を地域医療の学び場として医学生らの研修を受け入れる。 【酸味とほんのり甘さ 和歌山県紀南地方で極早生ミカン収穫の記事はこちら】 地域医療や介護に携わる人材の不足が深刻化する中、村として地域医療に力を入れていることを発信し、人材の確保や育成につなげようと今月1日に開設した。 具体的な事業として、県立医大地域医療支援センターや紀南病院(三重県御浜町)と連携し、医学生や看護学生、研修医などの地域医療研修を受け入れる。 研修では、北山村診療所長である内川宗大医師(37)が指導医として一対一で指導。疾患だけでなく、患者の生活を把握する上で重要なコミュニケーションの技術などについても教え、村社会福祉協議会や保健師などと連携し、村全体を研修のフィールドとして取り組む。 小中学生を対象とした医療体験や村民向けの健康教室など、地域医療についての学びの普及活動などにも取り組む。 開設式では、泉清久村長が「地域医療、へき地医療を学ぶ方々にとって良い学びの場となることを目指したい。村民一人一人の予防医療を目指す上でもセンターの活動は大変重要」とあいさつし、内川医師をセンター長に任命した。 内川医師は「新しい刺激がセンターを窓口として村に入ってくることでモチベーションが向上し、新たな成長や新たな視点が生まれる契機になる。村として医療人の育成に注力することが、村民の心身の健康や安心を維持する取り組みにつながる」と話した。
紀伊民報