イランの「革命防衛隊」とは 米軍作戦で幹部死亡
トランプ米大統領の指示により、イラン革命防衛隊の幹部ソレイマニ氏が殺害されました。ソレイマニ氏は自国では「英雄」、トランプ大統領からは「テロリスト」と呼ばれています。そもそも革命防衛隊とはどんな組織で、ソレイマニ氏はどのような役割を果たしていたのでしょうか。 イランは、1925年から続いたパフラヴィ朝が1979年のイスラム革命(イラン革命)によって消滅し、現在の「イラン・イスラム共和国」となりました。この革命を指導したのがイスラム教シーア派の指導者・ホメイニ師でした。 革命後、ホメイニ師は国の元首・最高指導者となりました。米ワシントン・ポスト紙によると、このときにホメイニ師らは前体制時代から引き継いだ軍隊を信用できず、国軍とは別に指導層に忠実な武力集団を設立しました。これが「革命防衛隊」です。
革命防衛隊にはいくつかの組織があります。その一つが、ソレイマニ氏が率いていた「コッズ部隊」です。カタールのテレビ局アルジャジーラなどによると、コッズ部隊は海外案件を専門とするエリート集団。同氏は1998年からコッズ部隊のトップを務め、レバノンのシーア派武装組織「ヒズボラ」や、シリアのアサド大統領、イラクのシーア派集団とのつながりを強固にしました。 最近では、イラクやシリアで勢力を伸ばした過激派組織「イスラム国(IS)」と対峙する武装集団の援護にも注力しており、イランでは「国民的英雄」とも言われていたそうです。 1989年にホメイニ師が死去すると、ハメネイ師が最高指導者となり、今に至っています。ここ数年、ソレイマニ氏はそのハメネイ師やシーア派の指導者らとともに登場することが多かったといい、イランの実力者の一人であったことが推察されます。