黄ばんだヘッドライトレンズのクリア度は磨き込みとペイントで復活!?
マスキングしたらいよいよペイント段取り
ウレタンクリアペイントで仕上げるが、レンズ以外の周辺部分にマスキングを施し養生実践。バフレックスで磨いたままの状態なので、本当ならクリアなヘッドライトレンズが完全に白濁している。作業実践をお願いしたモデルクリエイトマキシでは「普通のウレタンクリアではなく、薄いブルークリアにすることで、黄ばみが進んでいたレンズでも、黄ばみを目立たなくすることができますよ」とノウハウをお話し下さった。
薄いブルークリアにするのがポイント
バフレックス磨きで完全に白濁していたヘッドライトレンズだが、ペイントを吹き付けることで序々にクリア度が復活していく。塗り終えて乾燥させている段階では、すでに良い仕上がりを予感できた。果たして、どれほどクリア度が復活するのだろう……。ブルークリアにすることで明らかに黄ばみが目立たなくなる。かと言って、薄いブルークリアなのでブルーっぽさは皆無。まだまだブルーを濃くしても大丈夫な雰囲気だった。
見た目も美しくクリアな輝きを復活!!
クリアレンズの黄ばみはレンズ外側にでるが、夜間走行が多い車両は、ヘッドランプの明るさと反射熱!?によって、レンズの内側からマイクロクラックや黄ばみが発生してしまうケースもあるようだ。今回実践したトランポ用ヘッドライトがまさにそれだったが、ビフォーアフターでは、その違いが明らかになっている。 ────────── 【POINT】 ■ポイント1・まっ黄っ黄になってから作業するのでは効果が薄く長持ちしないので、黄ばみに気が付いたら早めに作業 ■ポイント2・キレの良いバフレックス磨きがお勧め。手元に無いときには1500番程度の耐水ペーパーから研磨開始し、3000番で仕上げるのが良い。ヘッドライトレンズだけれではなく、クリアのウインドスクリーン磨きにも応用可能 ────────── 以前から気になり実践してみたかったのが、ここに紹介するヘッドライト磨き。単純な、磨き込みによる仕上げではなく、ここでは「ヘッドライトレンズのペイント」を実践してみた。身の回りにある乗用車やトランポで、本来ならクリアなはずのヘッドライトレンズが、経年劣化によって随分「黄ばんでいる」例、数多く見かける機会がある。クルマに限らずバイクに関しても、90年代以降のモデルでは、ガラス製ヘッドライトレンズからクリア樹脂製(アクリル樹脂系)レンズに変わり、特に、黄ばみが目立つ例もある。 クルマの世界でもヘッドライトレンズは樹脂部品化が進んでいる。衝突安全性や部品の軽量化が目的で、ヘッドライトレンズは「樹脂製にする」のが当たり前の時代。しかし、樹脂レンズは黄ばみやすく、部品メーカーにとっても悩みの種。数年前に購入した新車が、2度目の車検を迎えた頃には、すでに黄ばみ気味に……といったお話は決して珍しくない。そこで、レンズを磨きによってクリア度を高めるのだが、数ヶ月もすれば以前のように黄ばんでしまい……という現実もある。そんな黄ばみは「ペイント仕上げ」によって、進度を遅れさせることもできる。ここでは自己責任において、黄ばんだ樹脂レンズのトランポヘッドライトをペイント処理で仕上げてみたした様子をリポートしよう。 ボディペイントに使われるウレタン樹脂は、耐候性能が高いことで知られている。作業実践をお願いしたモデルクリエイトマキシにお話しを伺っても 「クリアと言ってもウレタンクリアじゃないとダメです。缶スプレーのクリアは、ラッカー系が多いので溶剤が強過ぎます。ラッカークリアを樹脂レンズに吹き付けると、溶剤と素材の樹脂が反応して、瞬く間にマイクロクラックが入ってしまう例もありますからラッカーペイントはお勧めできません」。仮に、ウレタンクリアでペイントするにしても、すでにマイクロクラックが入っている樹脂レンズでは、その進行が早まってしまう可能性もあるので、お勧めできないそうだ。いずれにしても試してみたかったので、ここでは自己責任に於いて、黄ばんだヘッドライトレンズをバフレックスで磨き、その上からウレタンクリアを吹き付けてみた。 作業前と施工後の比較画像は、施工後2週間以上経過した状態で撮影した。毎日、ヘッドライトを点灯する時間帯に長時間走っているが、かなりいい感じのクリア度と輝きを復活させることができた。症状が酷くなる前に実践するのが、効果的と言えそうだ。
たぐちかつみ