健康分野において、デジタルテクノロジーと人工知能は注目を集める一方、倫理的な問題も提起している。photography: Anna Wanda Gogusey / Madame Figaro

魅力的なアプリや革新的なフェムテックは女性たちを次々に虜にしている。この小さな革命が、治療のあり方を変え、医師と患者の関係に新たな課題を提起している。 女性の健康は明らかにデジタルの方向に進化している。婦人科領域に特化したアプリが増加している。世界中で1200万人以上のユーザーが生理周期の追跡に使用している非常に人気の高いClue（クルー）を始めとして、妊活トラッキングのAva（アバ）ブレスレット、骨盤底筋をトレーニングするElvie（エルビー）センサー、更年期の体温を調整してくれるAircon Watch（エアコン ウォッチ）などコネクテッドデバイスも登場している。アメリカは、「フェムテック」（女性とテクノロジーの略）分野でリードを果たしており、この市場は2050年までに500億ドル（約7兆4885億円）に達する可能性がある。そして、フランスのスタートアップ企業も満たされていないニーズに取り組み、活発に活動している。 2021年に、健康に情熱を注ぐデジタル起業家のパオラ・クラヴェイロが、2021年に外陰部の痛みに特化したアプリ「Vulvae（ヴァルヴィ）」を立ち上げたのは、まさにこの理由からだった。彼女は、「まだタブー視されているトピックで、関連する患者にはほとんど情報が届いていない」と総括する。このツールは、痛みや治療を記録したり、パートナー医師によって科学的に検証されたオンラインリソースにアクセスしたりするためのデジタル日記の形をとっている。 ストラスブール大学病院が2018年に試験を行った、乳房手術後のリンパ浮腫（腕の腫れ）を検出することを目的としたコネクテッドスリーブ（腕に装着するデバイス）「Lymphometry（リンフォメトリー）」プロジェクトなど、すでに存在しているが、現在も開発中のアプリを使用する際に患者が求めているのは、知識、快適性、安全性の向上である。「乳房手術は外来で行われることが増えています。モニタリングアプリは、患者が安全かつ適切に自宅に戻ることを可能にします。緊急時には、患者は迅速に診察を受けることができるでしょう」と、仏キュリー研究所の麻酔科医でブログ「IA et médecine（AIと医療）」を運営するパスカル・マイヤー医師は述べている。これらの利点は、医療のアクセスが限られた地域でさらに重要だと考えられる。