登録作品は900冊以上!津高生の『推し本』に県内高校も興味津々、同世代の推しコメントに“いいね!”で共感「どんな本を読んだらいいかわからない、という生徒に活用してもらいたい」
「同年代の本の感想は刺さる確率が高い」 そんな高校生に関する“気付き”から生まれた、三重県立津高等学校発のウェブページ「三重の高校生の推し本」。生徒たちが登録した読んだ本と本の感想をウェブページで公開、生徒たちの感想を閲覧するだけでなく、「いいね!」マークで感想に共感したり、タグ名で本を検索できる機能を兼ね備えたウェブページだ。
「三重の高校生の推し本」は県内外の高校からも注目を集め、9月20日時点で全9校の高校が同ページに参加。各校の生徒たちが登録した本は900冊を超え、“推しコメント”と呼ばれる本の感想は1,000件を突破した。 2024年2月6日にスタートした「三重の高校生の推し本」。誕生のきっかけは、同ページの発案者でもある『三重県立津高等学校(以下:津高校)』学校司書・井戸本吉紀さんが、赴任当初に見た「本の感想欄」にあった。 井戸本さん曰く、「本を借りた生徒が本の感想を書くことができる仕組みができていた」という津高校。借りた本に挟むB6サイズの「本の返却期限を書いた紙」に本の感想欄があり、本の返却時、その感想欄に感想が書かれている割合が多いことに驚いたという。
感想は館内に掲示してきたが、“それだけではもったいない”と感じ、毎月発行する「図書館通信」に掲載。その後、「図書館通信」を読んだ生徒から、「紹介されていた本、どこにありますか?」と聞かれることも増え、「同年代の人の本の感想は刺さる確率が高い」と感じたという。 当時同校では、コロナ禍で登校できない生徒のために、図書館の本をウェブ上で検索・予約できる機能をスタートしたばかり。井戸本さんは、“リスト化した感想もウェブ公開できないだろうか…”と常々考えていた。 そんななか迎えた令和5年の春、三重県教育委員会で「本を読もう!読書活動推進事業」が始動。津高校はその事業のモデル校に手を挙げる際、『本の感想をWebで公開する”津高生の推し本”ページを作る』を一つの柱とし、予算を獲得。ウェブページ「三重の高校生の推し本」の制作へと繋がった。