フジテレビ、アニメ事業が前年比で急成長「うる星やつら」リメイクの商品化好調など寄与 原作繋がりの「らんま」は日テレ系
フジ・メディア・ホールディングスが今月7日に公開した2025年3月期第2四半期(中間期/4-9月)の決算情報によると、アニメの関連の事業収入が前年同期比39%増水準の成長を見せたことが分かった。 【画像】「ユーフォニアム」の武田綾乃氏も関わる新作も…日テレが推す3つの今後放送予定作品 同社子会社で放送事業を行うフジテレビのコンテンツビジネス収益において、「アニメ事業開発収入」が25億4,100万円となり、7億9,100万円だった前年同期比で39.6%増。また、2Q単体では85.8%増と、第2四半期からの伸びが著しい。 この理由について、同社は「「うる星やつら」等出資作品の配信権販売や海外展開好調」、MD(マーチャンダイジング、グッズ関係)は「人気アニメ関連等好調」と短文ながら取り上げた。 ここでの「うる星やつら」とは、フジテレビ系の深夜アニメ枠「ノイタミナ」にて今年6月まで放送されていたリメイクシリーズ。高橋留美子氏のデビュー作として1981年にアニメ化で人気を博した本作が、2022年から「リメイク」として、原作エピソードを全4クールにわたって再構成し放送されていた。 アニメ作品の多くは製作委員会制度を採用しており、放送権や配信サイトでの収益、グッズライセンス収入などは各企業からの出資額に応じて配分される。今回は商品化権や海外配信が好調とのことなので、今夏のテレビ放送後からその効果が出てきたものとみられ、数値にも表れているようだ。 同社は先日の秋改編より「ドラゴンボール」新作アニメ「DAIMA」を毎週金曜日23時台に展開中のほか、非深夜帯ではワンピースが「充電期間」に入るとして、魚人島編の再編集が始まるなど、しばしば話題に。中国の動画共有サイト大手・ビリビリと協業で手がけるアニメ枠ではアニプレックスとの三者共同制作の新作も展開予定など、年明けにも注目される。 ちなみに、高橋留美子先生原作の作品繋がりとしては、同様に先日よりリメイクの放送が始まったアニメ『らんま1/2』も見逃せない。1989年放送の原作アニメはフジテレビ系だったものの、2024年版リメイクは日本テレビ系と、放送局が変更になったことが注目されていた。 なお同作について、今月8日に日本テレビ放送網が公表した決算資料中には特段言及はない。出資関係の影響なのか、10月改編では毎週金曜日23時台に放送中の『株式会社マジルミエ』を前面に押し出しており、今後の展開として『薬屋のひとりごと』第2期を挙げるなど、注力したい領域が見えてくる。 ©高橋留美子・小学館/アニメ「うる星やつら」製作委員会
編集部 経済・社会担当