災害が起きても生産を止めないためには? 配線器具のグローバル企業・パナソニックEW社が実現した”強靱化”
AIの活用により短い期間で開発成功。発展性も秘める
EW-Resi.のシステム開発に協力した富士通の執行役員EVP 大塚尚子さんによると、自社のAIにEW社のSCMについての既存情報を学習させたことによって、需要予測モデルをわずか2か月で構築できたといいます。データモデルを一度作成すれば、そのモデルの組み合わせを変えていくことで、在庫管理、需要予測、レジリエンスなど、様々な目的を持ったアプリケーションを開発できます。 大塚さんは、このデータモデルを応用することで「温室効果ガスの排出量の可視化・削減策構築のシステムも作れる」と語っており、EW-Resi.は、サプライチェーンの強靭化策だけにとどまらない可能性を秘めています。 EW-Resi.の導入により、有事下での事業継続計画状況の把握にかかる日数は、従来システムの平均3日から1日に短縮されました。製品の信頼性の高さから、グローバルで高いシェアを誇っているEW社。今回の新たなシステムの導入は、同社の信頼性をさらに高めるものとなりそうです。
畑野壮太