目指すは「地球で一番強くて美しい女」プロレスを通じてコンプレックスが長所に【ZONES(前編)】
エボ女は、全日本プロレスの諏訪魔、石川修司(フリー)が新人を育成する新団体。男子プロレスラーが指導するという、これまでとは一線を画した団体だ。しかも旗揚げ前とあってまったくの未知数。とはいえ、ZONESはプロレスの知識がないからこそ、不安を感じることもなく挑戦。諏訪魔と石川の実績は応募してから調べてみた。「こんなにすごい人から教われるんだから、ここにしよう」。そして、エボ女の練習生として、プロレスラーデビューを目指すことになったのである。 プロレスでは、受け身が基本中の基本となる。相手の技を受けた時、受け身をうまく取れなければケガに直結する。相手が受け身を取れて初めて、レスラーは技を仕掛けることができる。ボディビルの練習はプロレスのための体作りにも役立ったが、受け身はまったくの初体験だった。「いつになったらデビューできるんだろう?」と不安になるくらい、延々と受け身を繰り返す毎日だった。 そして迎えた2023年3月31日、ZONESは、Chi Chi(チーチー)、SUNNY(サニー、23年12月引退、現レフェリー)とともに旗揚げ戦でデビューを飾った。エボ女興行では他団体の大物選手とのシングルが続き、他団体へ参戦する機会も多くなっていった。旗揚げから約1年弱でZONES、Chi Chiとも通算100試合を突破。2人揃って女子プロレス界の売れっ子と言っていいだろう。 他団体との交流の中で、ちゃんよた(P.P.P.TOKYO)との出会いは大きな刺激となった。というのも、元警察官やセクシー女優という異色の経歴を持つちゃんよたは、「筋トレ女子YouTuber」としても活動。鍛え抜かれた肉体をプロレスで表現することは、ZONESの描くプロレスラーの理想像。いいお手本にもなっているのだ。
2人は、昨年12・17新木場でのエボ女興行でシングルマッチを行ない初遭遇。この時、ZONESはいつもとは違う親近感を対戦相手に覚えていた。 「普段は握手とかしないんですけど、この時は試合後にガッチリとハグしていました。なんとなくいいなあ、合うなあと思ったんですよね。この後、P.P.Pさんの大会に呼んでいただいて、ちゃんよた選手と“マッスルシスターズ”というタッグチームを結成しました。試合だけではなく、ちゃんよた選手のSNSからも大きな刺激を受けています。今日もちゃんよたは筋トレしたんだなぁとか、最近だいぶ絞れてきてるなぁとか、見るたびに刺激をもらっていますね。それを励みに私もジムに行こうとか、今日もがんばろうとか思えるんですよ」 ちゃんよた&ZONESのマッスルシスターズは、P.P.Pのリングで3回実現(タッグマッチ2試合&6人タッグマッチ1回)。今後も組まれれば、タッグでありながらお互いが鍛え抜いた筋肉を競い合うような、ユニークなタッグチームになっていくのではなかろうか。 (後編に続く) 【Evolution今後の日程】 ▼9月1日(日) Evolution新木場大会♯22 ▼9月25日(水) Evolution新木場大会♯23 ▼10月12日(土) Evolution新木場大会♯24 ▼10月23日(水) Evolution新木場大会♯25 ▼11月3日(日) Evolution新木場大会♯26 ▼11月21日(木) Evolution新木場大会♯27 ▼12月14日(土) Evolution新木場大会♯28 ▼12月27日(金) Evolution新木場大会♯29 ※会場はすべて東京・新木場1st RING
取材協力/ゴールドジムサウス東京ANNEX 取材・文/新井宏 写真/新井宏、森本雄大 写真提供(試合)/ Evolution