「金は1ケタ予想も…」続々決定のパリ五輪“メダル危機”ウラに「柔道の苦戦」と「水泳界の内輪モメ」
2月5日、日本卓球協会は注目の「パリ五輪日本代表」を発表。女子団体ではすでにシングルスでの出場を決めていた早田ひな、平野美宇に続き、3枠目に張本美和を指名するなど、夏のパリ五輪に向けて続々と派遣決定が報じられている。 【写真あり】東京五輪金メダリスト・阿部詩 ″合い鍵″半同棲のお相手は8歳年上「カリスマ美容師」 史上最多のメダル58個を獲得した東京五輪の名シーンが思い出されるが、意外にも関係者の間では、 「この夏はかなり厳しい」 との声が聞こえ始めた。 「コロナ禍の母国開催とあって、応援はもとより宿泊や移動、食事、調整施設など、アドバンテージが高かったこともありましたからね。まずは、お家芸と言われる体操、柔道、競泳、レスリングで、どれぐらいの金メダルを獲得できるか、そこがポイントになりそうです」(スポーツ紙記者) 東京五輪ではスポーツ王国の米国、中国に次ぐ28個の金メダルを獲得し、4種目だけで18回も『君が代』が流れた。 すでにパリ五輪切符を手にした金メダル候補の顔ぶれを見ると、体操男子は、個人総合と種目別鉄棒の連覇を狙う橋本大輝、柔道は男子66キロ級の阿部一二三と女子52キロ級の阿部詩の兄妹。それに女子48キロ級で世界選手権3連覇の角田夏実、女子レスリングでは50キロ級で五輪連覇を狙う須崎優衣と53キロ級で127連勝中の藤波朱里の2人がいる。 「ただ、橋本こそ10月の世界選手権の個人総合でも史上4人目の連覇を達成し3冠に輝くも、他の4人のメンバーが決まらず、メダルラッシュは厳しそう。男女合わせて9個の金メダルを獲得した柔道は、100年ぶりのパリ開催で意気上がるフランス勢が怖い。 東京五輪の新種目の男女混合戦では完敗していますからね。レスリングにしても、12月の全日本選手権で、五輪連覇を狙っていた川井友香子と乙黒拓斗の2人が敗れ、五輪出場消滅。3種目とも海外勢のレベルアップが著しいだけに優勝となると、前回からガクッと減ってもおかしくない」(前出・スポーツ紙記者) もちろんメダル候補勢はまだまだ多数いる。五輪並みに激しい国内予選を勝ち抜いた猛者達だけに、本番が楽しみだが、心配なのは競泳陣だ。 ‘23年7月、ホームの福岡で開催された世界選手権で、銅メダル2個という大惨敗を喫し、8月には「競泳ニッポン、分裂の危機」とまで報じられた。 「リレー種目での選手起用を発端にして、チーム内での意見の相違による対立が表面化。選手から『アスリートファーストではなくなってしまった』と、不満が漏れるだけでなく、パリ五輪に向けたプロジェクト・リーダーで、日本代表の平井伯昌コーチからのチーム運営への助言や強化計画の提案が受け入れられていなかったこともわかり混乱しました」(スポーツ紙デスク) 8月には都内で入江陵介主将ら主力選手とスタッフによるミーティングが行われた。同時、同プロジェクトは解団となり、平井コーチが同職から解かれたことも明らかになった。 「パリ五輪まで1年に迫った時の、あの“内輪モメ”は痛かった。北島康介や東京五輪でメドレー種目2冠の大橋悠依を育てた平井コーチの離脱は、大きな影響も及ぼした」(前出・スポーツ紙デスク) 11月8日、日本水連はパリ五輪競泳日本代表の選考基準を発表した。 「’24年3月の選考会で代表入りに必要なタイムは、7月の世界選手権(福岡大会)より厳しい独自の派遣標準記録を適用することに決まりました。個人種目の代表は決勝で派遣標準を突破した上位2人。 これに対し、コーチ陣の中からパリ五輪参加標準記録による選考を求める意見書が提出されたが、鈴木大地会長は『これまでの五輪も高い標準記録を設定し、突破しようという気持ちが記録を押し上げてきた。高い目標を持って戦う』ことを強調しました。となると、東京五輪の男子200メートルバタフライ銀メダルリストで新エースの本多灯が頼みの綱。連覇を狙う大橋ばかりでなく、池江璃花子や瀬戸大也が本番の舞台に立てるのか、危い状況です」(前出・スポーツ紙記者) 果たして、日本はパリの地で“前開催国”の意地を見せることができるのだろうか――。
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