波紋続々。メイウェザー対那須川の懸念ルール問題で「3ラウンドの非公式ボクシングマッチ」と米報道
プロボクシングの50戦無敗の元5階級王者、フロイド・メイウェザー・ジュニア(41、アメリカ)が“神童”と呼ばれる32戦無敗の天才キックボクサー、那須川天心(20、TARGET/Cygames)と大晦日に総合格闘技イベント「RIZIN.14」で異種格闘技マッチを戦う発表をしたことの波紋が世界中で広がっている。 米国ボクシング専門サイトの「ボクシングシーン」は、未定であるルール問題に触れ「いくつかの情報筋によると、この戦いは、メイウェザーの無敗戦歴(50戦全勝27KO)に加えられるような試合ではなく、完全なるボクシングのエキシビション試合で3ラウンド以内のものとなりそうだ」と伝えた。 現在、公式ではルールは未定。榊原信行実行委員長は、「スペシャルスタンディングバウトとなる。那須川がボクシングシューズを着用しない段階で、もうそれはボクシングルールではない。バックブローがありとなれば、なおさらボクシングではない。たとえば1ラウンドで5回だけ蹴りをOKにするとかのルールも検討している。エキシビション? 確かにこの試合はメイウェザーの50戦の公式試合に加えられない非公式マッチかもしれないが真剣勝負だ」と説明していた。 会見で「キックルールでも受け入れるのか?」と質問されたメイウェザーは、それに対して明確な返答をしていなかったが、一方の那須川は「ルールは何でもいい。ボクシングルールでもやります」と明言していた。 また、この「ボクシングシーン」の報道を受ける形で、英国の「ジョーメディア」も「残念だが、予測できるメイウェザーと那須川の試合の詳細が浮かび上がる」との見出しで、「ルールや体重、グローブについて詳細は(記者会見で)明らかにされなかったが、我々は『マネー(メイウェザー)』が自分にとって有利なルール(ボクシング)から、ちょっとでも離れるとは信じていなかった」と皮肉をこめて報道した。 同メディアは、「ボクシングシーン」が伝えた「3ラウンドのボクシングのエキシビションマッチになる」との記事を引用した上で、「残念か? そうだ。予想できたことか? 全くその通りだ」と続けた。 だが、その一方で、「この一戦はRIZINとメイウェザーの両者にとってウィン―ウィンのものになる」とも指摘した。 「RIZINにとっては団体のブランドをアップさせ、最も将来有望な若手ファイターの1人に世界中の大きな注目を集めることができて、メイウェザーはファイトマネーを受け取れる。さらにメイウェザーは、自分の名前がメディアの見出しとなり、実際に引退を撤回して、来年にマニー・パッキャオとの金になる再戦を望むのであれば、その試合の調整を行うことができる」。この那須川戦をステップにメイウェザーのボクシング復帰が本格化して、来年、6階級王者、マニー・パッキャオ(39、フィリピン)との再戦に向かうのではないか、との見通しを記した。