【保存版】どこよりも早い? 来シーズンのJGTOを佐藤信人が大予想。海外挑戦で抜けた穴の本命は……
QT組にも注目
QT組に目を向けると、QT1位で「史上最年長初シード」を獲得した49歳の海老根文博が話題を集めましたが、もう1人、QT6位で前半戦のシードを獲得した31歳の黒木紀至も同じく苦労人。最近では珍しく研修生を経験してからプロ入りし、現在は藤田寛之に弟子入りをして技術を磨いているようです。 多くのプロゴルファーは、体力と勢いのある10~20代が伸び盛りですが、中にはさまざまな経験やコンディションの波長が上手く重なり、30代以降にピークを迎える選手もいます。海老根や黒木といったキャリアの選手は多くの壁を乗り越えてきたぶん、若手にはない経験が武器として持っています。エリート街道ど真ん中の選手とはひと味違うプレーに注目です。
他にもQT上位で注目したいのが5位の新村駿と、15位の櫻井勝之という2人の飛ばし屋。新村は優先出場できるABEMAツアーの賞金ランク23位にわずか1500円足らず、悔しい思いをしましたが、それを糧にQT上位でフィニッシュ。 昨年、ABEMAツアーのJAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP CHALLENGE in FUKUIで3位タイに入り、翌週行われたレギュラーツアーのFor The Players By The Playersで4位タイフィニッシュし、2週連続で優勝争いに絡みました。さらに翌週の関西オープンでは初日単独トップとチャンスをモノにできる力のある選手です。
櫻井は僕も同組でラウンドしたことがあるのですが、飛距離は段違い。飛ばし屋と言われる選手たち比較しても頭一つ抜けるほどの飛距離を誇ります。一度はツアーを諦めドラコン選手に転身し日本チャンピオンにまでなりました。ロングヒッター有利のコースでうまくかみ合えば、彼のポテンシャルを発揮できるのではないかと、私だけでなく、選手や関係者などが注目しています。
「勝ち切る力」と「落とさない力」の両方が求められる
ネクストブレイクが期待できる選手を中心に紹介しましたが、中心のとなるのは今平周吾、蟬川泰果といった実力者。今平は日本オープンを制し念願だった初メジャーを獲りましたが、優勝はその1回のみ。蟬川に至っては幾つ優勝を積み上げるのか期待されるレベルにいながら未勝利に終わってしまいました。 ただ逆に言えば調子の上がってこないシーズンでありながら今平は賞金ランク5位、蟬川は19位と「悪くても大きく崩れない」というベースの能力の高さが証明されたシーズンだったとも言えます。賞金ランクで上位に入るためには、「勝ち切る力」と「落とさない力」の両方が求められることを考えると、ベテランの岩田寛なども含め、このあたりの実力者がやはり本命になってくるでしょう。 賞金ランク上位2人が抜け、さらに賞金総額4億円のビッグトーナメント「前澤杯 MAEZAWA CUP」も新規大会として加わったことで、賞金王争いは今年よりも混戦になることは必至。開幕から最終戦まで目が離せない展開になりそうです。
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