「信じる力もアフタヌーンティーのマナー」専業主婦だった今田美奈子が36歳で“決断”したスイス製菓学校への留学
チーズケーキをはじめ、日本にヨーロッパの伝統菓子を伝え広めた、洋菓子研究家・食卓芸術家の今田美奈子さん。 【画像】「ヨーロッパの邸宅には、クグロフの型が壁に飾られていることが」と話す今田美奈子さん ヨーロッパの伝統菓子を紹介した著書の出版をきっかけに、芸術様式に沿ったテーブルセッティングやプロトコール(国際儀礼)、マナーを学ぶ教室を開設。ヨーロッパ伝統食卓文化サロンとして、これまでに日本のみならず、アジア各国からも含め2万人以上の生徒が学びに訪れました。 フランス政府が叙勲する芸術文化勲章も受章されている、日本洋菓子界のレジェンドでもある今田さんの、人生哲学について聞きました。
今田美奈子とアフタヌーンティーブーム
――いま、ホテルのラウンジやカフェなどでアフタヌーンティーを楽しむ活動が大人気です。「お姫様のスイーツ」「ヨーロッパの伝統菓子」を伝えてきた今田さんは、この「ヌン活」ブームをどう見ていらっしゃいますか? 誰にでも大変なことや困ったこと、不安なことは起こるものですが、アフタヌーンティーは見ているだけで気持ちが華やいで、元気になりますよね。アフタヌーンティーには気持ちを整理し、いい気分で1日を終えられるようになる効果があると思います。 私のサロンでも、若い方をはじめ幅広い年齢の方がアフタヌーンティーを楽しんでいただいています。オリジナルメニューの「マリー・アントワネット妃のお菓子たち」はとくに、「映(ば)える」という理由で、若いお嬢様方に人気です。 たまたま私がサロンに行った時、居合わせた若い方が、「あら、生(なま)(の今田美奈子さん)が来たわ」と、その表現がおかしくて(笑)。――そんなエピソードを笑い話にされてしまう今田さんが素敵です。 私も今年で89歳です。年齢を重ねて見た目が変化していくのはあたりまえですから、そんなことはいちいち気にしません(笑)。 そもそも伝統のアフタヌーンティーは、貴婦人たちがおしゃべりをして気分転換をするためのものだったんですよ。 ――えっ。ゴージャスで優雅なアフタヌーンティーのイメージと結びつきません。