”148時間を超える時間外労働”と”パワハラ” 24歳の男性は教師になって半年で自殺した 母「原因究明と謝罪を」
■帰宅の時間が遅くなり食事量も減る 2019年4月1日。 初出勤から帰ってきて「担任になった」とやる気に満ちあふれた様子で話していた男性。 母親によると、先生になって最初のうちは楽しそうに過ごしていたが、運動会が近づくにつれて、状況が変化していったという。 母親の意見陳述: 「運動会の係を持つことになり、準備や担当しているクラスのダンスの練習、 日々の授業の練習・準備など業務が増え、 自宅に帰ってくる時間が次第に遅くなっていきました。 この時から食事量が減ったり、 自宅に仕事を持ち帰って睡眠時間が短くなったりしていました。」 ■自死の連絡「息子に限ってそんなことをするわけない」 そして9月。 母親は、男性が自死で運ばれたと連絡を受けた。 母親の意見陳述: 「最初は人違いだと思いました。 息子に限ってそんなことをするわけはないと思っていました。 息子の自死後、何が起きたのか私には分からなかったため、 事情説明の文章の提出を学校にお願いしたり、 説明を受けるために何度か学校に足を運んだりしました。」 しかし、学校側からの謝罪はなかった。 母親の意見陳述: 「息子を奪って家族を引き裂いたのに当事者の人たちが当たり前のように 生活をしていることには深い憤りを感じます。 私たちとしては、息子がどうして亡くならなければならなかったのかの 原因究明、そして学校からの謝罪を強く望みます。」 ■春日市と福岡県は”請求の棄却”求める 春日市と福岡県は、いずれも請求の棄却を求めている。 ■「教師のやりがい搾取」何人犠牲者が出れば・・・ 教員の場合は「教員給与特別措置法」によって、働いた分だけの時間外勤務手当が支払われない。 遺族の代理人弁護士は、裁判を通じて、教員が置かれている実態も浮き彫りにしていく、と話した。 男性の遺族の代理人 前田牧 弁護士 「働いた分だけ時間外勤務手当を支払わなくていいということが、労働時間を管理しないことにつながっている。際限のない長時間労働を引き起こしているということも、この裁判で浮き彫りになるのではないか」