石木ダム周辺の地域振興策 長崎県が素案、公園やキャンプ場整備など盛り込む 「理解促進に」
長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダムについて、県は9日、周辺地域の振興策をまとめた「水源地域整備計画」の素案を示した。住民の生活基盤の充実、生活の質向上、誘客での活性化を柱とし、公園やキャンプ場の整備などを盛り込んだ。 計画は、水源地域対策特措法(水特法)に基づき、県が佐世保市、川棚町と策定を進めている。同日の県議会観光生活建設委員会で素案の内容を説明した。 「ダム建設が地域に及ぼす影響を緩和し、地域住民が暮らしやすく、にぎわいのある地域を目指す」として、地域振興策のメニューを列記。道路、上下水道、河川護岸などの生活基盤の充実に加え「生活の質」の向上として運動公園や多目的広場の整備を挙げた。地域外からの誘客策としては、ダムを活用したツーリズムや虚空蔵山のトレッキングなどを提案した。 今後、川棚町の石木、岩屋、木場の地元3郷で説明会を開く方針。意見を踏まえ、町長、佐世保市長と協議した上で、国に計画を申請する。水没予定地で暮らす13世帯には文書で説明会を申し入れたという。「機会をいただけるのであれば、素案についても説明したい」としている。 県河川課の小川秀文課長は「反対住民や他の川棚町民に具体的なイメージを持った上で意見をもらい、理解促進につなげたい」と述べた。