会社を設立するには?設立準備から登記完了までの手順をわかりやすく解説【司法書士が解説】
(2)定款の作成と認証:会社のルールを整える
定款は、会社の基本ルールを定めた最重要書類です。これがなければ会社設立は始まりません。 〈定款に記載すべき事項(絶対的記載事項)〉 ・目的 ・商号 ・本店の所在地 ・設立に際して出資される財産の価額またはその最低額 ・発起人の氏名または名称および住所 ●電子定款の活用 定款を紙で作成する場合、収入印紙代(4万円)がかかります。しかし電子定款を利用すればこの費用を削減できますので、電子定款をおすすめします。 ●公証役場での認証 株式会社を設立する場合、作成した定款は、公証役場で認証を受ける必要があります。合同会社の場合は定款認証が不要です。
(3)資本金払込:会社の経済基盤を築く
(株式会社の場合)定款認証後、発起人の個人口座に資本金を振り込みます。この手続きが完了すれば、資本金の払い込みが証明され、設立登記が可能になります。 ・資本金は「発起人名義の個人口座」に振り込みます。法人名義の口座はまだ開設できないためご注意ください。 ・振込証明として、通帳のコピーや振込明細書を保存しておきましょう。
(4)設立登記:会社が正式に誕生する瞬間
設立登記は、法務局で行う手続きです。この登記をすることで、会社として正式に活動を開始できます。 〈必要書類〉 ・定款 ・設立登記申請書 ・資本金払込証明書 ・取締役就任承諾書 ・印鑑届出書(会社の実印登録) ●登録免許税 登記時には登録免許税が発生します。計算方法は次のとおりです。 ・株式会社 最低額:15万円/合同会社 最低額:6万円 ・または「資本金額×0.7%」の高いほうが適用されます。
(5)会社設立後の届出:忘れてはならない重要手続き
会社設立後には、税務署や年金事務所などへの届出が必要です。これらを忘れるとペナルティが発生する可能性もあるため注意しましょう。 〈税務署での手続き〉 ・法人設立届出書 ・青色申告承認申請書 ・給与支払事務所等の開設届出書(役員や従業員に給与を支払う場合) 〈社会保険や労働保険の加入〉 ・年金事務所:健康保険と厚生年金の加入手続き ・労働基準監督署:労災保険の加入手続き ・ハローワーク:雇用保険の加入手続き これらの手続きは速やかに行う必要があり、特に税務署への青色申告承認申請書は設立から2ヵ月以内が期限となります。