侍ジャパン・森下翔太「もう悔しい一言に尽きます」全試合4番で大会最多13得点
国際大会「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」の決勝で野球日本代表「侍ジャパン」は台湾代表に0―4で敗れ、2連覇を逃した。国際大会の連勝は27でストップ。初戦から9試合連続で4番を務めた森下翔太外野手(24)=阪神=は一塁走者として最後を迎えた。この悔しさは虎での来季、そして、2026年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で晴らす。3位決定戦は米国が6―1でベネズエラに勝った。 日の丸のユニホームに土がこびりついた。九回1死、一直で戻ることができず、森下は〝最後の戦士〟となった。 「本当に世界一をずっと目指してやってきた。最後の最後で悔しい結果になってしまった。もう悔しい一言に尽きます」 2連覇をかけての台湾との決勝。右翼守備では無情にも2度、頭上を白球が越えていった。零封負けで国際大会での連勝は27でストップ。全試合4番で先発出場した若虎は「悔しい」を何度も繰り返した。 大会史上初となる全勝での優勝を目指した。しかし、台湾が罰金(2000ドル、約31万円)を支払ってまで23日の先発から変更し、決勝にぶつけてきた林昱珉(リン・イクビン)は強敵だった。4回無得点に抑えられると、五回に戸郷が痛恨の2被弾。4失点と後手に回った。森下も4打数無安打と苦戦。四、六回には乾いた音を響かせたが、いずれもフェンス手前でグラブに収まった。 井端ジャパンの4番は誰になるのか。村上(ヤクルト)や岡本和(巨人)が出場辞退。軸不在で始まった代表だったが、森下が穴を埋めた。 「4番が打たないと、なかなかチームが回らない。(WBCで)絶対、世界一を目指したい。またいい打順を任せてもらえるのであれば絶対結果を残したい」 大会直前の強化試合・チェコ戦の打撃練習で、首をひねる姿があった。宮崎合宿での強化試合は2安打1打点。決して数字は悪くなかったが、納得できなかった。普段はベンチに下がる時間になっても再びバットを手にケージ後ろに立ち、打撃投手に合わせてタイミングを確認した。さらにシーズン夏場に行っていたメディシンボールを使ったトレーニングも取り入れ、自分のベストな状態を模索。もがきながら「この状態なら大丈夫、いける」と自信を手に大会に臨むことができた。 その結果、全てが初対戦となった投手にも見事に対応。1次リーグでは打率、打点のチーム2冠。韓国戦でチームの大会初本塁打を放つなど、大会通算9試合で打率・357(28打数10安打)、1本塁打、9打点をマーク。3度「プレーヤー・オブ・ザ・ゲーム」に選出され、大会トップ13得点の活躍でチームをけん引。さらに「日本人とリリースが違って全く別のピッチャー。メジャーに行った選手が1年目に苦労する理由が分かった」と、今後の国際大会につながる学びも得た。